2016/05/23

Summit to Sea / Second day


20160514 sat - 15 sun 「尾鷲道」スルーハイク・下山日

とても静かな夜だった。風の嘶きも鹿の鳴き声も聞こえなかった。
満天の星空を拝むことは叶わなかったが周りに誰もいない山の夜は好きだ。
避難小屋もなく自分の好きな場所に幕営すればいい縦走は楽しい。

昨夜はジンビームの小さなボトルを2本空けてシュラフに潜り込んだ。
明け方、目が覚めたのは4時前だった。それからは惰眠をむさぼる山の朝。
半覚醒状態ながら幕の外が明るくなり始めていることを感じる。

静かな黎明だと思ったがフライシートを叩く小さな音が気になった。
「雨だね」と僕が囁く。「そうね、雨ね」とkumiちょが囁く午前5時。
眠い目を擦りながら幕の外へ出れば、辺りは深い霧に包まれた柔らかな朝だった。



午前5時半に起床し下山の準備を始める。
霧雨だが大勢に影響はない。幽玄なる尾鷲道の風景を楽しむ気分だ。

朝飯は梅干しを入れた熱い卵とじにゅう麺とシャケご飯。
ジワリと身体の芯から温まる朝飯は美味い!


あれこれと用意を済ませて午前7時に幕営地を出発する。
水、酒、食料などは軽くなってるのだが、テントが雨に濡れて絶賛増量中だった(笑


テン場を出発して10分ほどで本日もルートロストした。
濃霧で目印やトレースが見にくかったこともあるのだが・・・(汗

ルート(尾根)が直角に曲がったところで気付かず直進するおバカなパターンね(笑
10分ほど彷徨って踏み跡も目印も発見できずGPSで確認する。
で、10分後には正規ルートに復帰♫


雨あがる。
霧雨は感じるが樹林帯での降雨は感じない。

不動谷源頭部の谷筋で湧き水があった。
神明水の少し手前である。


神明水でも水は僅かに出ていたが細く枯れかけている。


神明水付近までは南下するが、その後は東へトラバースは続く。


晴れ間もないが雨も落ちてはこない。
時折現れる巨木に触れ尾鷲道の鼓動や歴史を感じる。


ギンリョウソウに出会えたのも久しぶり。
この時期限定だよねぇ。


又口辻を通過したら数分で栃山林道との分岐に出る。


分岐から5分ほどで古和谷への下りの分岐が現れる。
GPSでP1053の少し手前になる。そこから一気に標高を下げる。
いわゆる激下りの始まりだ。何度も転んだのは言うまでもない(笑


再び現れた巨木を過ぎれば古和谷の渓谷も近い。


急坂の樹林帯を抜ければ空間が広がる。
これから歩く地形が目視で把握できる。


コチビなkumiちょはお助けのトラロープの高さギリギリなパートも多い(笑


沢沿いを歩き出して程なくして山賊小屋跡♫
河原にそれらしき小屋跡あり。


尾鷲道唯一のガレ場を慎重に通過する。


その後は左岸から右岸へ渡渉するようなルートになっている。
ここも目印はしっかりある。迷う不安要素は無い。


苔の生えた岩場を水が流れているパート。間違いなく滑りそうだ。
お助けロープを握りしめスペシャル慎重にトラバースする(汗


崩落した箇所にはトラロープが張られて数十メートル高巻きする箇所もある。
こういうパートの整備も大変だよねぇ・・・


苔むす岩場を下りてくればトロッコの軌道跡等が登場する。
芦生ノ森のようにしっかりレールが残っているわけではない。


トロッコのレールは崩れ落ちている箇所が大半だ。
そして崩れ落ちた橋の横に崩れ落ちそうな橋がある(笑


古和谷の沢は美しい♫
大峰ブルーにも負けない透明度を誇る。


朽ち果てたレールがルート上に転がっていたり、沢に転がっていたりする・・・


午前10時20分、広場に出た。
トロッコが動いていた時は作業場だったのだろう。


広場に出て振り返ると「大台ケ原尾鷲道登山口」の看板!
下山完了!コンプリート!と言いたいところだが・・・


ここから尾鷲駅まで延々10km以上の林道と国道歩き待っている(汗
実は本日の縦走距離の半分以上は林道&国道になる・・・


当初の計画段階から分かっていたこと。
早く風呂&麦酒にありつきたいのでガシガシ歩く!


まずは古和谷林道の終了点までの5kmほどの道のりを超ハイペースで歩く!


木々や渓谷に癒されなが歩くことは楽しいのだと・・・
自分に暗示をかけながら進む退屈な林道(笑


車両通行止めの古和谷林道終了点に午前11時40分に到着。
幕営地出発から4時間40分が経った。


まだ尾鷲駅まで国道歩きが5km以上ある。
ここからの計画はこうだ!

尾鷲のクリスタルタクシーさんに電話して一台回してもらう。
で、温泉にタクシーで直行だぜ!っていう計画なのよ♫


だが!!!携帯の電波が飛んでない事実に愕然とする二人(ガクブル!
kumiちょも僕もスマホはauなのだが、全くもって圏外だった(号泣


仕方ないのでアスファルトの国道425号線を尾鷲駅に向かってガシガシ歩く!


暗くって狭い坂下トンネルを歩いていると後ろから車が一台猛スピードで!
デカい四駆のボルボにひかれそうになったコチビと老犬(滝汗
ビビったkumiちょは出口までほぼダッシュ!(笑


トンネルを出たところで携帯の電波が繋がった!
ソッコーで尾鷲のクリスタルタクシーさんに電話したのは言うまでもない♫
12時30分にはタクシーに乗車したのであった(笑

本日の行動時間は約5時間30分。歩行距離は約14km。


夢古道の湯で汗を流す♫
だが風呂上がりに事件発生!

右足首に出来た小さな傷から流血しているではないか!
体を拭きながらタオルで血を押さえながらなんとか着替えて受付に行く。
最初は風呂で切ったのだと思った。
受付でもらったバンドエイドを貼った瞬間から血が溢れてくる。
ティッシュで押さえていても止血は出来ず血が滲んでくる。
傷口は直径5mmくらいの小さな円形だ。深い傷ではないし痛みもない。
ここでピン!ときたのがヒルだ。ヒルなら血が止まらないのも納得できる。
林道で噛まれてそのまま温泉までお供してきたのだろうか?
で、入浴して湯温やペーハー等からヒルは傷口から離れたのだろうか?
受付で滅菌ガーゼをもらい分厚く重ねて傷口にテープで貼り付けた。
帰宅後はさすがに血は止まっていたが登山靴の中は血染めになっていた(汗


気を取り直してランチの前に恒例の乾杯の儀を執り行う♫
下山後の冷えた生ビールは至福のひと時なのよ♫
この時点で足の出血とかは忘却の彼方だ(笑


ここでは食べ放題のおばんざい的なランチバイキングしかセレクトできなかった。
この画像は僕セレクトで、下の画像はkumiちょセレクト。


セレクトだけやなしにボリュームもかなり違うねぇ(笑


入浴&ランチ後・・・
閑散とした尾鷲駅に着いた時にはJR特急が行った後だった・・・
次の特急は夕刻までない・・・
仕方ない、松阪まで鈍行に乗車する。
途中、2回も大きなトランジットタイムがあり3時間以上もかかった・・・
松阪からは近鉄特急に乗って帰ったのだが、
実に尾鷲駅から自宅まで6時間近くもかかった(滝汗

尾鷲・・・遠いわ〜!!!


だがスルーハイクはとても楽しい二日間となった。
歩いてみたかった尾鷲道という古道は小辺路にも負けない素敵なルートだった。
マニアックなルートを歩きたい方には是非!お勧めですよ♫

14 件のコメント:

  1. 尾鷲道お疲れ様でした。
    前回のと今回のと2日間にわたって読ませていただきましたが、
    やっぱいいところですね~
    とくにマブシあたりは展望もよくて前々から行きたかったので参考に
    させていただきました。
    ただ、こっちは三重側から入っているんですね。
    計画立てたのは大台ヶ原から入って尾鷲辻のルートだったんですが・・・

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  2. (^_^)v
    二日間お疲れ様!
    ここも良い古道?ルートやなぁ~
    僕らも行ってみようかなぁ(~_~;)

    携帯が繋がらんから我慢して最終まで歩くんかと思ったけど..........
    ちゃっかりタクちゃん呼んだんやぁ!

    でも大きな雨にも当らずトンネルで車に轢かれず..........
    無事完了して良かったねぇ(^_^)/

    そうそう!
    傷は間違いなく小さいヒルやで!
    温泉は源泉掻け流しちゃうかった!?
    多分、温泉で取れたんやと思うわ!

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  3. えれぇこった2号2016/05/23 22:57:00

    朝から、美味しい朝ごはん!良いなぁ〜♪
    kakaは、山ではtotoちゃんに朝もコーヒー飲みたいんだけどとお伺いをたてております。
    totoちゃんが、朝ごはんは食欲なければ食べれないし!!
    ⬆️自分で作れば良いやんって話なんですけど、山でのご飯担当者はtotoちゃんなんでね^_−☆
    まったり古道は、私も行きたいなぁ〜って、思ってたらtotoちゃんがさっき行ってみようかぁ〜って!
    kakaは、乗り物での移動が病気になってからかなり辛い!!ので移動時間だけでへとへとになりそうな予感が( ̄◇ ̄;)
    病気というよりは、年のせいなのかも(;^_^A

    ヒル気付かないうちに居なくなってよかったですね(#^.^#)

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  4. 涼ちゃん

    尾鷲道は二日かけてまったり歩くにはとっても素敵なルートです。
    マブシ嶺からの展望はパノラマで大台から大峰まで見渡せますよ!
    ただ入山までと下山後の移動時間がハンパないけどね(笑
    僕らもブログのとおり大台ケ原から入山して三重側の尾鷲に下山だよ。
    涼ちゃんもいっぺん縦走してみてください♫

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  5. totoちゃん

    kakaちゃんとまったり縦走やったらめっちゃお勧めやで〜
    薮漕ぎも無いしね!(笑

    タクシーはね、
    携帯の電波が繋がらないか頻繁にチェックしながら歩いてたよ!(笑
    電波が繋がったとたんにソッコー電話したわ♫

    トンネルで車にひかれかけたのはマジで恐かったよ!(汗
    雨に泣かされずに済んだのはラッキーやったわ♫

    温泉で出血の小さな傷はやっぱヒルやったんやろね!
    温泉は源泉掛け流しやったから温泉の成分とかに反応して
    ヒルが傷口から離れたのかもね〜
    血が止まらなかったのには少し焦ったわ(笑

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  6. kakaちゃん

    尾鷲道はまったり縦走するにはサイコーのルートやで〜♫
    なんといっても基本下り基調やからね!(笑

    朝食は自分の体調にも影響するんやから、
    totoちゃんにお伺いをたてる必要はないと思う!(キッパリ
    担当等は無視して珈琲くらい自分で作って飲んだらええねん(笑

    もしほんまにこのルートで公共交通機関使って行くんやったら
    帰りの尾鷲駅からのJR特急の時間は把握しとかなあかんで〜(笑
    鈍行やったら泣くほど時間かかるから(汗

    ヒルに噛まれてあそこまで出血が多いとは思わなかったよ〜(泣

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  7. かっちゃん、こんにちわ!

    白い植物ギンリョウソウって言うんですね!
    先週末に地元の低山にも生えてました!

    トンネルこわっ!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
    無事でナニヨリ!!

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  8. よーへーちゃん

    ギンリョウソウ(銀竜草)別名ユウレイタケ。
    ムーミン谷のニョロニョロを彷彿させます(笑
    トンネル内でのkumiちょのダッシュは早かったよ〜(汗
    早く関西遠征においでよ!

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  9. ほんま遠いけどいいところだね♪
    kumiちゃん。つり革かと思ったよ(笑)
    林道5㎞はまたつらいの~ 神仙平を思い出してしまうよ。
    途中で電波が繋がってヨカッタね~ 
    歩く苦痛よりビールお預けがツラいんちゃうん(笑)
    おつかれ~ いい山行でしたね(^_-)-☆

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  10. 好人ちゃん

    好人ちゃんも大杉谷の次は尾鷲道へおこしやす〜♫
    kumiちょは小さいけどあそこまで高いとこに張ったトラロープも珍しいでしょ(笑
    林道ってさ〜どこの山も同じように感じちゃうのよねー
    スマホの電波繋がったときには渾身のガッツポーズをとったで〜(笑
    ビールは半日開けると禁断症状が出るねん!(キッパリ!

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  11. 尾鷲のクリスタルタクシーて、怪しいネーミングですな^^;
    どこへ連れてかれるんやろ?みたいな^^
    しかし、木組峠から先もなかなか秘境ですねー
    トロッコ軌道跡とか、ワクワクしますよ、下界に下った
    後のトンネルもええ感じです
    圏外オチもトランジットネタも、なかなか、らしさがあって^^
    これでチヌ爆釣だったら(まだ言うか^^;)

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  12. スロトレさん

    新宿西口辺りにありそうな店名でしょうか(笑
    かなりボラレそうな・・・

    むしろ木組峠以降の方が秘境感はありますよん♫
    インクラインの石組みとかも当時の雰囲気を感じる事ができます。
    スルーハイクする楽しさはたっぷり感じます。
    トンネルでボルボにひかれかけたのはマジでビビりました(笑

    ラストは尾鷲湾の筏でチヌ釣ったら完璧でしたね(爆

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  13. ともぞう2016/05/28 0:17:00

    どーも!
    ヒルいるのね(>_<)
    大杉谷、考え中です(^^)/

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  14. ともぞうさん

    ごぶさたで〜す♫
    台高山系も鹿が多いのでヒルは結構いますね〜(汗
    大杉谷決まったら教えてね〜
    休める日であればジョインしますよ!

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