20130504 sat - 06 mon 「孤高の頂へのオマージュ・登頂日」
日没後は風の強い時間帯もあったがババ平のブロック塀はびくともしない。
まあ稜線のテン場ではないので槍沢を吹き下ろす風も大したことは無い。
数時間後、深夜にテントを這い出せば満天の星空に驚いた。雲一つない夜空は美しい。
風の嘶きは去り雲は風に流され雲散霧消となり漆黒の天空に銀河が広がる。
宝石箱を引っ繰り返した様な煌めきが標高2000mのテン場を覆い尽くす。
今日の天候が保証されたような夜空を見上げ嬉々としてシュラフにもぐり込んだ。
午前四時半、やや寝坊気味の朝を迎えた。ババ平の朝は既に始まっている。
早起き鶏のパーティーはすでに出発している。僕達も朝粥の朝食を済ませ出発する。
稜線の夜明けは荘厳なるモルゲンロートが広がる美しい朝だったことだろう。
横尾尾根に静かな朝がやってきた。
喜作新道から東鎌尾根へと続く稜線も今朝はすっきりと見渡せる。
夜が終り朝が始まる。空の色は刻一刻と変化し蒼さが増してゆく。
風もなく今日は暑くなりそうな朝の気配。
テントはデポしてアタックザックを背負う。
「さあ、登ろう♪」
槍沢ロッジに宿泊した登山者が下から登ってくる。
ババ平のテン場に宿泊した登山者も次々と槍を目指す朝。
大曲りを過ぎた辺りで赤沢山の陰から陽光の下に出る。
前にも後にも槍を目指す多くのパーティーが確認出来る。
スキーを担いでハイクアップするBCの入山者もかなり多かった。
天狗原分岐を過ぎてもスウィッチバック的なルートは当然ない。
積雪期は最初から最後まで一直線的な男前直登ルートのみ。
紺碧の下ようやく3180mの孤高の頂が見えて来た。
皆さんご存知の通り見えてから長いのよね・・・
ブレない僕もこの日は流石に二日酔いは無し♪
ZENの仙豆パワーでサクサクハイクアップ(笑
黒に近い群青の空を見上げれば勝手にナチュラルハイになる(笑
一直線の激登り。各パーティー急斜面でショートレストを繰り返す。
油断するとウォーターボトルが猛スピードで滑落してゆく(笑
雪面にデザインされた多彩な風紋。
陽光に照らされたマット&ブライトなコントラストが美しい。
漸く遠目に槍の下、殺生ヒュッテが目視できた。
だがそれと同時に最後の急登も壁のように見えてきた(汗
未だ雪の下に埋まる殺生ヒュッテ。
その横で熱いジンジャーチャイを楽しむショートレスト。
ドピーカンのこの日のkumiちょは絶好調♪
ナベちゃんはガッキーをフォローしながら、えっちらおっちらのハイクアップ♪
レストを挟んで山岳会やバックカントリーの入山者達と抜きつ抜かれつが続く。
和やかな雰囲気とは他所に心肺機能はマックスなゼーゼーハーハー状態(笑
無雪期なら槍ヶ岳山荘まで九十九折りが続く斜面も積雪期は直登あるのみ(泣
壁のように立ちはだかる最後の急登を皆さん牛歩の如くのろのろとハイクアップ(笑
激登りのラストに左目の端に映る槍ヶ岳山荘の面積が広がって来た(嬉々
この時点でのモチベは一つ!
心の中で「ビール♪ビール♪ビール♪」とシュプレヒコールが続く(笑
槍ヶ岳山荘やそのテン場に泊まった登山者達は登頂を済ませ下山を始めている。
僕達は小屋前のテラスベンチで、ゆったりレストする。
槍沢のババ平テン場からガシガシ歩いて3時間半の行程。
延々続く激登りは奥穂高への白出沢を彷彿させる(汗
この日は端午の節句。3000mの稜線で槍をバックに鯉のぼりが泳いでいる♪
吹き流しにお父さんとお母さん。あれ?子供がいないような・・・(笑
僕が槍さんにプシュッ!っと乾杯している横を小屋のスタッフが駆けていった。
左手の拡声器を槍に向けて「行動不能で警察に連絡した人は誰ですかーー!!」と叫ぶ。
右手の双眼鏡で確認しながら「手を挙げてくださーーい!!」と呼びかけている。
事情を聞くとロック&スノーな槍に登ったはいいが、
下りで怖くなり身体が動かなくなったらしい。
結論は警察に電話したものの、なんとか自力で下山できたらしい。
いやはや・・・事故にならなくて良かったですわ・・・
さて僕達のパーティーもサミットプッシュしますかぁ(笑
kumiちょとガッキーは初槍だし夏ならいいがまだ残雪期。
気温も上昇し凍結等は無いが一通り危険箇所や行動手順レクチャーする。
クライミングと考えればとても優しいルートだが飽くまでフリーなのだ。
誰もロープでビレイしてくれているわけではない。
垂直に近い岩稜帯は手や脚を滑らせればそれは滑落を意味する。
落ちれば即サヨナラ系の登攀でkumiちょもガッキーも必死のパッチだろう(笑
岩を手で掴むのかアックスのピックを雪面に突立てるのか状況判断しなければいけない。
上を見ても下を見ても限りなく真っすぐに見えて仕方ないだろう(汗
垂直だろうが鉄梯子は最も安全なパートだと考える。
ホールドもスタンスもガバの様なものなのだから。
もしパニクってもクイックドローを引っ掛ければ即セルフビレイの出来上がり(笑
カラビナやスリング等のビレイデバイスを装着して登れば安心度は必ず増す。
槍ヶ岳名物だから仕方ないのだが登る者と下る者、各所で渋滞が頻発する。
皆がジェントルに交互に入れ替われば問題ないのだが、
声掛けなど論外でアイコンタクトさえしない人もたまにいる。
こちらが立ち止まり意思の疎通を図ろうと顔を見るもお構い無し。
うつむき加減でガシガシ進んでくる人には苦慮する。
一般登山道ならまだしも岩場では危険さえ感じる。
kumiちょも最後の垂直鉄梯子を登れば3180mの積雪期槍ヶ岳登頂成功♪
皆で「おめでとう〜!」と歓喜のハイタッチ ♪
この日の脳内BGMはDon Henley "Boys Of Summer"♪♪♪
場所も内容も季節も全然違うんだけどね(笑
標高3180m、孤高の頂には絶景のパノラマが360°広がる。あぁ、また来れて良かった。
僕にとって特別な想いのある頂で過去の槍に絡む想い出が走馬灯のように脳裏を過る。
盛夏の槍。晩秋の槍。単独で登った。仲間と登った。北アのクロスロードは想い出いっぱい♪
この素敵な眺望がkumiちょとガッキーの想い出にもなるだろうと思うと幸せいっぱい♪
今年もGWを北アルプスで過ごせた贅沢な一時に感謝♪♪♪
kumiちょも☆
老犬一号も☆
ガッキーもサイコーでした☆
ナベちゃんは所用で遅れて登頂成功(笑
北鎌尾根をクライマーが登ってきた。しっかり祠の裏から顔を出した。
セルフを取ってから下に向けて「ビレイ解除ー!」と合図を送る。
順番に5名のクライマーが登攀してきた♪ とても羨ましい光景に出会えた♪
昨夜の吹雪。どこでビバークしたのだろうか。聞いてみればよかったなぁ。
登山の事故は登りより下りが圧倒的に多いのは周知の事実。
慎重に下山しながら前向きに下りた方が安全なのか、
クライムダウンした方が安全なのか判断しながら下降してゆく。
クライムダウンはアイスアックスのピックとクランポンのフロントポイントを
雪面に突き立て後ろ向きに下りるのだが、
この姿勢も慣れていないと逆に不安になる要素を含んでいる。
生まれたての子鹿に変身しそうなkumiちょとガッキーがいたから(笑
雪に埋もれて冬を越した槍ヶ岳山荘も少しずつ全体像が現れてくるのだろう。
小屋開け前に入山するスタッフ達は毎年大変な作業が待っているのだろうね。
無事に小屋まで下山できればソッコーで祝杯!
早めのランチを済ませてババ平のテン場へ下山開始。
インスタントだけど槍ヶ岳山荘の焼き鳥丼は美味しかったなぁ♪
ボーダーよりもスキーヤーの方が圧倒的に多かった槍ヶ岳のBC達。
数々のトラックやシュプールの曲線が美しく雪面に刻まれている。
さて、こちらの女子2名も滑降の準備が整ったようだ(笑
僕とナベちゃんはアタックザックを背負っているが、女子2名は空身。
最初はおっかなびっくり滑り出すもラインに乗れば「ウリャ〜〜!!」と、シリセード☆
ストックでバランスをとりピッケルでブレーキをかけ大はしゃぎ(笑
女子2名はロングライドにキャッキャと遊ぶ♪
槍の下山途中の表情とは大違い(笑
しんどくて、怖くて、楽しかった、積雪期の槍ヶ岳。
今回も登り甲斐のある、いい山でした♪
ババ平のテントを撤収して横尾まで下山してきた。
ここまでくれば下界とさほど変わらないサービスが待っている(笑
キンキンに冷えたビールを横尾山荘で調達し「山より宴」が始まる♪
満員御礼にはまだ余裕のある横尾テン場。
テント設営しながら何度も乾杯♪
今宵のディナーはガッキーが持参してくれた1kg近い肉で焼き肉パーティー♪
下界のキャンプ場のごとく素敵な匂いのみを御近所にお裾分けしてしまった(笑
最初はやっぱり塩タンからでしょ〜♪
北アルプスにトングーまで持参だぜ〜(笑
ローズマリー風味もある♪ タレ漬けもある♪ 味噌漬けもある♪
ピーマン入れて、エリンギ入れて焼き肉パーティーは続く♪
まだまだある♪ 椎茸も焼いたし豚も鶏も焼いた♪
〆は肉汁やタレの絡んだ焼き飯でフィニッシュ☆
この日もまた消費より摂取したカロリーが勝った日になったようだ(笑
小屋でワインも仕入れた♪ 日本酒も仕入れた♪ バーボンも仕入れた♪
僕達は素敵な二日間を肴に振返りながら泥酔してゆくのであった(爆
下山日の朝は確信犯的起床遭難☆
テン場のテントが殆ど無くなる頃に上高地へ下山開始(笑
アカンダナから近いのにメジャーではない秘湯「神の湯」で汗を流して帰りましたとさ♪
また槍ヶ岳に戻ってくる時は訪れるのだろうか。いや、もちろん戻ってきたいと願う。
出来れば自身が未踏の北鎌から這い上がってきたいと想う。 天上沢に貧乏沢♪
北アルプス登山での夢は尽きないし消えることはないだろう。 多謝 !
チックショ〜〜〜〜〜!
返信削除めちゃくちゃハラショーな天気ですやん☆
うらやましいったらありゃしない。
でも、これで今季の天気運を使い果たしてたりして、フフフ
ウラヤマスィ〜〜〜
返信削除素晴らしい天気!
見るからに、美味な肉とビール!!
こりゃたまらんわぁ!!!
かっちゃん、もちろん小槍くらい登っただよね〜??
夏は、北鎌と小槍だぞん(^o^)
わ〜すごい快晴!!
返信削除最高の山日和じゃないですか〜!
さすがkatsuさんkumi長、持ってますね☆
改めて行けなかったことを悔やみます・・・
槍はkatsuさんにとって特別なお山なんですね。
kumi長ガッキーちゃんもこんな日に登っちゃったら
きっと最高のお山の仲間入りですね☆
てかガッキーちゃん1kg肉持参って男前@_@
katsu兄やりましたね。
返信削除ご無事でなによりです。ちょっと気になってました。
nobeさんもGWに登ってきたそうでっせ。
槍沢ってこんなになるんですねえ。
おいらもいつか行きたいなあ。
いいね!(^o^*)/
返信削除老犬@エレベーターで帰れて良かったね2号
返信削除浪花島流し的流浪の出張お疲れさまんさでした☆
エエヤロ〜〜〜〜! ←エロイヤロ〜とちゃうで(笑
大丈夫さ〜「ワシ、持ってるし!」
Piso
返信削除ワシニモ、オウリョーサセテクレ〜〜〜〜!(笑
肉もビールも雪山もサイコーやったで☆
よっしゃ!夏は北鎌から小槍に上がって
アルプス一万尺を皆で踊ろーぞ♪
きょこちゃん
返信削除日程が合えば一緒に登りたかったね〜♪
でも、きょこちゃん達も素敵な休日を過ごせて良かったね☆
Uちゃんの漫才のテーストや種類がどんなんやろー?って
kumiちょと半ば真剣に話し合っておりました(笑
次回の入山ジョインが楽しみだわ〜♪
で、ガッキーは色んな面でかなり男前ですたw
da han
返信削除ありがとうございます。
心配かけてスンマセン(汗
nobeさんも槍に登ってたんや〜!?
そーかー・・・早くFB復活せなあきませんわ(笑
皆の日頃の状況が全然わからへんしなぁ(汗
そうそう!槍沢も夏とは全然違うね〜
いい山と、いい宴ですね!
返信削除5日はいい天気でしたね、
鹿島槍ヶ岳から眺めてましたよ。
ともぞうさん
返信削除ビンゴ!的なやっぱり!ですわ(笑
槍ヶ岳入山中もkumiちょと、ともぞうさんの話をしてました。
ともぞうさんも北アのどこかに入山してる感覚があったのですよ♪
これがマジで!
で、槍は槍でも北側の鹿島槍でしたかっ☆
なんか電波かオーラか出してました?(笑
うーんんん、言葉が出ない
返信削除北鎌?なにをまたご冗談を、ご同輩
そりゃいくらなんでも~なんて今言うと
あまりにも悔しまぎれっぽいので・・・
夏、いや秋は北鎌から這い上がって
今回と同じポージングでトップ画像飾ることを期待しています
・・・って、ちぇっ!
何言っても悔しいわいw
素晴らしい記事、ご馳走様でした
slow-trekさん
返信削除仕事は大切です。生きて行かねばならぬから
今のご時世は、頑張らねば生きていけません
しかし休みが無さ過ぎるのは心を病みまする
多様なしがらみがあるのは仕方ないことです
でも近い将来、以前のスロさんを見たいなあ
気長に待ってますから戻って来てくださいな
夏か秋には必ず北鎌から這い上がってきます
今回と同様のポージング期待しといて下さい
+。:.゚ヽ(*´∀`) ノ゚.:。+゚
nikkor14dさん
返信削除すいません・・・
長らくスパム扱いになっていたようです(汗
ありがとうございます!