2014/06/04

Green Corridor / first day


20140531 sat - 0601 sun 近畿の秘境「大杉谷渓谷」入山日

近畿の秘境と呼ばれる大杉谷は日本の秘境百選の一つである。
下の廊下を擁する黒部渓谷や新潟県の清津渓谷と共に日本三大渓谷でもある。
三重県側の宮川第三発電所と大台ケ原を結ぶ登山道はまさに緑の回廊なのだ。

標高差1400mの行程は約14km程のスルーハイクになる。
2004年の水害で通行不能になっていた崩壊箇所を含め、
約10年ぶりに今年のGW前に全線開通となった。

だが交通手段が問題となる。早朝に登山口を出れば夕刻にはゴールできるだろう。
下山地点に車をデポしても車の回収に約4時間ほど要するという。
複数名のパーティーで車が2台必要になる。帰宅は深夜を回るだろう。

なので一般的には公共交通機関を使い山小屋で一泊し翌日下山がセオリーらしい。
個人的にはテント泊したいがテン場もなく唯一ある避難小屋は日出ヶ岳に近すぎる。
ちなみにトレランで大台から宮川第三発電所までピストンする猛者もいるらしい。



電車とバスを乗り継いで大阪駅から5時間もかかって登山口に到着する。
北アルプス行けるよね・・・的な移動時間を要するのだ。
 

JR三瀬谷駅から大杉峡谷登山口まで行くバスは1日1便のみ。
登山口到着はジャスト12時になる。このあたりも秘境といわれる所以だろう。


それでも登山口の小さな駐車場は満杯だった。
宮川第三発電所の横を通って大杉谷のスルーハイクが始まる。


歩き始めてすぐに現れる断崖絶壁の渓谷。
まさに下の廊下を彷彿させる風景に感動しっぱなしだった。


しかも下の廊下のような針金ではなく頑丈な鎖がフィックスされている。
道幅もしっかりあるので誰でも安心して歩けるだろう。


高気圧におおわれた快晴の初夏の一日。
エメラルドグリーンの流れが美しい宮川。


大杉谷はその渓谷の中に11の吊り橋と7つの滝がある。
原生林の秘境を大台ケ原まで楽しめる箇所が数多あるのだ。


吊り橋マニアにはたまらないアトラクションが続く♪
逆に高所恐怖症の人はお股スースーポイントの連続となる(笑


京良谷を過ぎればすぐに日浦杉吊橋が表れる。


緑豊かな深いV字渓谷を心ゆくまで堪能できるシーンが続く。


吉野熊野国立公園に属する大杉谷。
世界的にもユネスコエコパークとして認定されている。


老犬調べでは大杉谷を流れる宮川は日本一の清流と言っても過言ではないようだ。
国土交通省一級河川水質調査で過去に11度も1位を獲得しているそうな。


大杉谷は屋久島と比較されるほどの多雨地域なのだ。
豊かな水が様々な生命体を育み秘境としての美しさを保つのだろう。


登山口から1時間20分で千尋滝前の四阿にに到着する。
ここで最初のショートレストを取りおにぎりを頬張る。


フルサイズ高級一眼に超長玉を装着したお父さんが難しい顔で
カメラセッティングしておられた。三脚は当然カーボンですたw


整備された登山道はルートロストすることは万が一にもないだろう。
だが下の廊下同様に落ちれば一発サヨナラなのでご用心。


千尋滝からしばらく進むと川との距離が近くなり眼前が広がってくる。
今日のメインイベントでもあるシシ淵とニコニコ滝の登場だ。


崖っぷちにはガイドさんを先頭にボランティアの登山道補修部隊が連なっていた。
二十代の若者を中心としたチームが汗かきながらツルハシや針金を駆使していた。
山を愛する若者達が無償で登山道の修復にたずさわる。素敵な行為じゃないか。


巨岩の向こう。シシ淵の遠景にニコニコ滝が目視できた。


湧き水が小雨のごとく滴り落ちる岩の隙間をくぐってゆく。


ここシシ淵は大杉谷でも1・2を争う秘境ポイントだろう。


ここをレストなしでスルーする者はまずいないだろう。
僕達も淵の前で再びまた〜りとレストする。


kumiちょも秘境の絶景をスマホの写メ&動画で撮影してましたとさ♪


大峰ブルーに勝るとも劣らないなエメラルドグリーンが美しいすぎる。


透き通る様な水面はそこに水あることを否定するような情景を醸し出す。


大杉谷が全線開通するまではこの扉までしか来れなかったようだ。
進入禁止期間もこの扉をスルーして偵察に来ていた者もいたようだが(笑


全線開通までの登山道補修工事で鎖は二重になった。
急登の鎖場も身長に応じて選べる鎖手摺って贅沢だねぇ。


シシ淵から遠景で目視できた落差50mの迫力あるニコニコ滝が眼前に現れた。
名瀑ぞろいの大杉谷の中でも幻想的な光景はトップクラスだろう。


午後の日差しを浴びる平等嵓吊橋を渡る。
この吊り橋が一番長いのだろうか?


高さは控えめながら距離はあったような・・・
かなり揺れていただいて浮遊感満喫ですたw


噂には聞いていたが平等嵓の勇姿に圧倒された。
威風堂々とした塊はとてもじゃないがファインダーには収まらなかった。


桃ノ木山の家までラス2の吊り橋をふざけながら渡る。
こぢんまりとした加茂助吊橋も高度感はたっぷり♪


吉野熊野国立公園の木製看板が現れたら桃ノ木山の家まであと僅か。


何度かのアップダウン(高巻き)を繰り返し最後はユルい下りでフィニッシュ♪


本日ラストの吊り橋を渡れば桃ノ木山の家に到着。
複数回のショートレストを繰り返しながら3時間15分でコンプリート♪
kumiちょのまた〜り亀足で桃ノ木山の家到着は15:30だった。


初日、昼からの入山で行動時間3時間弱でフィニッシュとは素敵すぎる(笑


3時間だろうが10時間だろうがゴールすればプシュッ!とハッピーアワーだ♪
有人小屋の有難さをたっぷりと堪能する。


桃ノ木山の家は山小屋としては珍しく風呂がある。
檜風呂だが定員は3〜4名がマックスだろう。
男湯も女湯も同じ作りである。 


シャワーは無いし石鹸&シャンプーも禁止。
順番にカラスの行水で汗を流す。山中ではそれだけでも全然違う!
窓からは簾の向こうに吊り橋も見えるしね♪


入浴後、登山道補修ボランティアを含めて次々と登山者がやってくる。
本日は70数名の予約が入っているらしい。
現在の収容人員はマックス200名強だと教えてもらった。
ゴールデンウィークは満員に近い客数が続いたという。


夕刻、小屋前のガーデンテーブルでドンチャンをスタートする。
この後、何度も何度も小屋フロントまで麦酒調達したことか(笑


唯一持参した酒は、よかいちパウチパック900ml。
いよいよ焼酎にもパウチパックが登場したのだ!
先日スーパーで発見した時には山行を考えて感極まりそうになった(笑


本日は70数名の客の中で素泊まり自炊は僕達だけだった。
無印良品の山飯キットが賞味期限を大幅に過ぎていた(汗
だがそれらを廃棄するストマックではない我家なのだ(笑


数ヶ月ぶりのオーバーナイトハイクで賞味期限切れの山飯キットを
消費するべくを持ち込んだのだ(笑


kumiちょ特製の切り干し大根とホタテのマヨ和え with ちりめんじゃこ&塩昆布♪


明日の朝食の浅漬けを作るべくナスビをスライスする。


久しぶりの山での飯盒が楽しみだった♪


飯盒の中身はビリヤニ(インド風炊き込みご飯)だ。
一緒に焼鳥を炊き込めばスパイスがピリッと効いてマイウ〜♪


お次は各種野菜を炒めながら・・・


トマトや玉ねぎの旨味たっぷりのペーストやスパイスミックスでソテーすれば
とってもスパイシーなサブジ(インド風野菜炒め)の出来上がり♪


晩飯後もう一度飯盒で白飯を炊き明朝のおにぎりを作る。


ベンチから見上げた先の窓に干してある黄色いハンカチならぬ黄色いヘルメット!
裏番? マジか! と一瞬ビビってしまったよ(笑


山小屋でも夕食の時間のようだ。
ベンチの真上が食堂で、そこから楽しそうな会話が聞こえて来る。
なんだか久しぶりの山小屋の雰囲気が妙に嬉しかった♪


夕食を済ませた若者達は吊り橋で語らったり・・・
渓谷の岩場で寝転がって寛いだり・・・


友情を深めたり・・・


愛を紡いだり・・・


冬期ではありえないこういう光景って癒されるよなぁ♪
山で久しぶりにまったりしながら老犬はぼんやり想うのであった(笑


小屋前の古めかしい看板に標高と控えめな標準行動時間が記されていた。


プラス2000円で泊まれる個室(4人部屋)
4人だったら一人500円プラスで快適山小屋ライフが保証される♪
山より宴はもちろん個室をリザーブでしょ!


二階個室前の廊下。
ザックは廊下に置くのがここでのルール。
細引きをフィックスしているので廊下は乾かしたい衣類だらけ(笑


二階個室の上にある屋根裏の大部屋。


暮れなずむ大杉谷。
小屋スタッフの対応も態度もスキルの高さを感じた。
昭和の風情漂う桃ノ木山の家・・・良い山小屋ですよ。


この後はいつものごとく泥酔していった老犬であった♪
翌朝は起床後にkumiちょに説教されましたとさ(笑

8 件のコメント:

  1. 老犬“この日泥酔”2号2014/06/04 21:36:00

    おったで(笑)

    てか、ムーチョええとこやん〜☆
    行きたかった…チクショ〜
    それにしても写真キレイですな。
    やっぱカメラか(爆)
    後半、正座して待ってるら〜!!

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  2. 行かれましたか!いや~満喫って感じですね( ^ω^)
    シシ淵って、私、なんかニコニコ滝覗いてるなーって感じでスルーしちゃってました、アラ(笑)
    おまけに「湧き水が小雨のごとく滴り落ちる岩の隙間」ではカメラを抱きかかえて急ぎ足して、スネを強打(≧ロ≦)岩場は一歩一歩気を抜けませぬ^_^;
    セカンドデーも期待してまつw。

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  3. ここ行きたいんですよね〜。しかし電車バスで5時間ですか!つづき楽しみにしております。w2go

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  4. tekapo2014/06/05 22:48:00

    行きたい・・・・
    沢のある風景にとてつもなく癒されます。
    しかしあまりにも遠いアプローチ、ホント、北アルプス行けてしまいますね。

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  5. 老犬@いつでも泥酔2号ちゃん

    >おったで(笑)
    やっぱり〜(笑
    一応四六時中背後には気をつけてたんやけど(汗

    ムーチョええとこやで〜
    次回また行こまい!

    写真がキレイなんわ ここや!ここ!
    と、右手で左腕たたいときまっさ〜

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  6. jyd nikkorさん

    お陰さまで満喫してきますたw
    ブログちょっぴり参考にさせてもらったのですが
    コースタイムはまったく参考にでけませんでした(笑

    湧き水が滴り落ちる岩場もアトラクションの一つですね♫
    岩場でスネ強打はヤヴァイでつよw

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  7. kitamu@w2goさん

    電車バスで5時間かけてでも入山する価値のある秘境でした♫
    是非チャレンジしてみてください!
    めちゃめちゃ癒されますよ~

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  8. tekapoさん

    今年もそろそろ沢登りの季節が近づいてきましたね!
    沢ルートマップみながらワクワクしてますよ(笑

    tekapoさんもいっぺん秘境を堪能しに行ってください!

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