20140531 sat - 0601 sun 近畿の秘境「大杉谷渓谷」下山日
長らく閉ざされていた神秘の渓谷に清々しい黎明が訪れた。
深く切り立ったV字渓谷に朝日が差し込み”今日”が生まれる。
秘境と呼ぶに相応しい名瀑や巨大岩壁が荘厳なる佇まいで圧倒する。
美しくも険しい原生林の森には多雨地域の証でもある苔類を育む。
数多の表情を併せ持つ近畿屈指の秘境は優しい笑顔で迎えてくれた。
梅雨入り前の最後の高気圧は素敵な時間を与えてくれた。
午前四時・・・窓の外は今朝の色と音のリズムが生まれる。
早起き鶏達は出発の準備に余念がない。僕達も静かにゆっくり始める。
山小屋の朝飯は午前五時半。客達が朝食中の横を通り僕達も旅立った。
崖っぷちの狭い登山道・・・団体さん渋滞は避けたかった。
起床遭難も二日酔いも無く午前5時50分に桃ノ木山の家を後にした。
僕達が小屋を出る時は洗面所もトイレもすでに渋滞中だった。
早立ちのメリットはあれこれ多いよねぇ
久しぶりに山中で迎えた早朝の凛とした空気がうれしかった。
僕達の気持ちも自ずと引き締まる。
河原に近づいたり遠ざかったり適度なアップダウンを繰り返す。
湧き水で岩場が濡れているパートも多い。
崖っぷちで滑れば大事故に繋がりかねない。
1979年 大杉谷での出来事。
老朽化した吊り橋に定員オーバーを承知で渡ったパーティーがいた。
警告を無視した結果、一本のケーブルが破断してまうという事故が起きた。
一人が死亡し一人が重傷を負った山岳事故だった。
遺族は県と国を相手に最高裁まで裁判を続けた。
原告・被告の勝訴・敗訴の事はここでは書かない。
それ以降、多くの登山道が入山禁止になったのは言うまでもない。
それに加え環境庁の肝入りで自然破壊と評されるほどの登山道整備を行った。
大杉谷登山道もダイナマイトで岩盤を爆破し登山道を整備していった。
自然保護団体に言わせれば環境破壊や自然破壊なのだろう。
それは全くもって否定できない。
多くの死者を出した黒部の下ノ廊下にある高熱隧道だってそうだ。
僕達は多くの自然破壊のもとに登山を楽しんでいる。
だからこれ以上自然や環境が破壊されぬようダメージが少なくなるよう努めたい。
大袈裟なことを言うつもりは毛頭ない。個人で出来ることを少しでも・・・
そう考えて入山するだけでも全然違うと思うんだ。
桃ノ木山の家から20分と少しで大杉谷のアイコン的な七つ釜滝が現れる。
その名の通り多くの釜を有する段瀑。
落差は120m以上あるそうだ。
七つ釜滝は日本の滝百選にも選ばれている名瀑である。
エメラルドグリーンの釜から釜へ糸をひくように流れる姿は美しいの一言だ。
四阿でまったり七つ釜滝を眺めながらショートレスト。
数カ所に設置されている関所的な扉を開けて通過する。
発破で巨岩を砕き階段を作り鎖を二重につける。
よく考えればとても違和感のあることなんだよね・・・
でもそれは僕達入山者の安全のためなのだと
分かった風なつもりで僕達は山を楽しんでいる。
僕はそれでいいと思う。
だから極力他人に迷惑をかけないように入山届けは必ず登山口で書く。
どんな山でも必ずツェルトを持参して入山している。
山岳保険は毎年必ず更新している。
そして何より山に畏敬の念をいだきながら臆病でいること。
行くか戻るか不安を覚えた時は絶対に go for it ! しないこと。
そうやって肩肘張らずに山と対峙すれば他人に迷惑をかける事も少なくなるだろう。
暫く歩くと崩壊地が眼前に現れた。
圧倒する様な巨岩が渓谷をふさいでいる。
弥山双門ルートの川原小屋跡の崩壊地より凄まじい。
まるで北アルプスの岩稜帯を登るようなルートが付けられている。
崩壊地のピークから登って来たルートを振り返る。
岩山の高度感が分かってもらえると思う。
足場の悪いところはドリルで掘削し安全なルートを作ってくれている。
北アルプスのようにルートの目印になるペンキマークもある。
崩壊地の前後は伏流水になり沢に水は流れていない。
優しい流れの光滝は落差40m。
時折、大台ケ原から下りて来た登山者とすれ違う。
だが早立ちのお陰で静かな秘境を楽しむ事が出来た。
立ち止まり撮影してはkumiちょに追いつくパターンを繰り返す♫
隠滝吊橋では振り返って隠滝を見つけることを忘れてしまった・・・残念
水深が3mとか4mとかありそうな沢の透明度もハンパない美しさだ。
先行者に追いつくこともなければ後続者に追いつかれることもない。
静かな秘境を存分に堪能できた。
刻一刻と変化する初夏の日差しをファインダー越しに楽しむ ♫
「日本の自然を守りましょう」
これ以上破壊の続かぬように願いましょう。
そう言えば石板を彫り込んだ案内板はコレだけだったような気がする。
堂倉吊橋を渡れば小さなダムの様な建造物が見えて来た。
真夏だったら泳ぎたくなるような淵の連続に嬉々として沢や滝を覗き込む ♫
これからはヒルの怖いシーズンになるが沢登り感覚で真夏に入山もアリかな?
紅葉の頃も美しい秘境を愉しめるだろうな〜 ♫
堂倉滝に7時50分に到着。
桃ノ木山の家からジャスト2時間のコースタイムだ。
ここも真夏に泳いだら気持ち良さそうだ♫
飽くまで個人的な意見だが大杉谷の秘境はここまでだ。
ここから先はフツーの登山道をひたすら3時間登るだけだ。
今回の僕達のようにスルーハイクしたいなら何も言わないが、
手軽に大杉谷を堪能したいなら車で宮川第三発電所手前の登山口駐車場で前夜車中泊。
早朝に出発し日帰りの軽装だったらここ堂倉滝まで5時間かからないだろう。
ピストンで宮川第三発電所まで下山すればワンデーハイクで楽しめるだろう。
昭文社の山と高原地図のココの標準CTはかなりユルい設定だと個人的には感じた。
堂倉滝から堂倉避難小屋までの標高差400m弱の登りが
このルートで一番パンチが効いている。
当然ゼーゼーのハーハーで登りましたとも(笑
シャクナゲ坂とか・・・
シャクナゲ平とか・・・
初夏のグリーンシャワーを浴びながらもフツーの登山道をひたすらハイクアップ。
樹林帯を抜け辺りの風景が広がれば日出ヶ岳にゴール♫
ゴールタイムは10時50分。桃ノ木山の家からレスト込みでジャスト5時間だった。
賑やかなヤグラの上で撮影しながら、しばし余韻を味わいショートレスト。
黄砂飛来のせいか熊野灘はハッキリと確認できなかった。
山小屋を早立ちのデメリットもある。
公共交通機関を使うのでバスの出発まで時間を潰さないといけない。
日出ヶ岳から30分でビジターセンターに到着する。
11時30分からバスの出発時刻である14時30分まで3時間もある・・・
まあ それでも木陰で小説と麦酒があればあっという間だよ♫
公共交通機関利用での最大のメリットは間違いなくコレだよね(笑
何本でも♪ 何本でも♪ モーマンタイだもんね♪
大杉谷は評判通りの素敵な秘境だった。
あれこれ考えるところはあるが、いい山はやっぱり良いんだよ♪
また戻ってこようと思う。
大杉谷のレポを見て2号が行きたがってるよぉ~
返信削除でも、ほんまに交通アクセス悪いし費用もアルプス並みにかかるもんね(~_~;)
もう梅雨に入ってしまったから、多分、僕らは車で行って桃の木さんでお世話になって七つ釜滝まで行ってピストンのゆるり入山になるかな・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下のキャンプ場、広くて快適なんでテント泊して早朝軽荷のピストンでも楽しめるかな~なんて思ったりしてる!
梅雨前の快晴に恵まれて良い入山でしたね(^_^)/~
ほんっまエエとこですな〜。
返信削除せやけど、名古屋からやったら、
大台ヶ原から帰るんが大変そうやわ。
ワシらも行くとしたら、車でピストンしかないかな〜。
それにしても写真がキレイ過ぎ☆
やっぱりカメ…(爆)
(~_~;)
返信削除腰痛の為に大杉谷山行計画は・・・・・・・・・・・・・・・・中止。
うぅ~残念(*_*)
遅れてのGWで3連休が取れたんで、小辺路も計画したが、これも中止。
次の大杉谷も・・・・・・・・・・・・・・・・(~_~;)
綺麗な写真見てると行きたくなるねぇ~
2号なんか、ここの写真何回も見てるよ(^_^)/~
そうそう!
かっちゃん、2号が毎回コメント入れさせてもらってるんだけど上手く反映されないんだって!
そう言えば、僕も出先からiPadでコメント入れた時何回か反映されてなかった事あるから、もしかしたらiPad,との相性が悪いんかなぁ~!?
2号が、なんでコメント反映されへんねやろう!?
って、毎回、綺麗な写真ありがとう<(_ _)>
って!
PCからだと普通に反映されるんだけどね!
bp-ととちゃん
返信削除いやほんまに大杉谷はアクセスも費用もアルプス並にかかるもんねぇ。
小辺路縦走も中止やったとわ残念やね・・・
そいでもまたチャンス見つけて2号ちゃん連れてまったり入山しておいでよ!
日帰りピストンは可能やけど・・・桃ノ木山の家はえ~感じの小屋やでぇ♫
大人として有人小屋にたっぷりお金落としてきてくださいな(笑
その後、腰痛は大丈夫? おじいちゃん♫
もう若くはないんやから気ー付けや~(笑
それから2号ちゃんはコメントくれてたんやね〜(ありがとう♫
スパムにも入ってなかったからまったく反映されてないみたいやね(泣
たぶんbp-ととちゃんの言う通りipadとの相性が悪いのかもしれへんねぇ・・・
2号ちゃん いっぺんパソコンからコメントしてみてくださいな〜
ってか こっちからも2号ちゃんとこへコメントさせてもらうわね〜
>って、毎回、綺麗な写真ありがとう<(_ _)>
いえいえ感謝感激雨霰でわ〜(笑
老犬@豪邸でクライミング?2号ちゃん
返信削除大杉谷ほんまエエとこやで~
名古屋どころか東京から新幹線往復で来てたパーティーもおったで~
いっぺん皆でドンチャンピストンしとこかぁ(笑
>それにしても写真がキレイ過ぎ☆
そいでもいっぱい悩みはあんねん・・・
カメラ師匠!今度おせーてな~
わしも豪邸を汚しに行きたい!(笑
何でも相談にのりまっせ☆
削除ドーンと泥舟にのったつもりで(笑)
マジ豪邸過ぎてバビるで!
ど・・・泥舟かぁ・・・(笑
削除出来れば箱船的な介護舟をキボンヌ
やっぱ Pサティアンはハンパないんやろな〜!
いつの日か・・・汚してやる(笑
そっか、堂倉滝までのピストンちゅう手もあるなあ。
返信削除休みの少ないオイラにゃ悩むとこです(笑)
da hanさん
返信削除夜明けと共に登山口を出発すれば堂倉滝ピストン十分可能です。
少ない休みを使うには最適な秘境でっせ〜♫
是非!