20130815 thu - 18 sun 雲ノ平・高天原で癒される(前編)
高度5000mには東からの太平洋高気圧。
高度10000mには西からのチベット高気圧が居座る。
レイヤードされた盛夏の高気圧は熱波の下降気流を生む。
酷暑の街を抜け出して秘境や秘湯のある高層湿原で癒される。
毎日愉快な仲間と順番にジョインできる素敵な夏山縦走。
二人から始まった夏山縦走のラストナイトには7名での宴になった。
山で知り合いブログで繋がる不思議な縁は偶然なのか必然なのか。
だから来る者拒まず去る者追わずのスタイルは今後も変わらない。
メロウ&イージーな「山より宴」を楽しめれば本望だ。
亀谷温泉のある有峰林道ゲート入口にに到着したのは深夜だった。
ゲートがオープンする午前6時まではゲート手前の無料駐車場で車中泊。
蒸し暑い夜、窓を開けての車中泊で蚊にボコボコにやられたkumiちょ・・・
翌朝は見事なお岩さんが一丁上がりであった(笑
有峰林道がオープンする午前6時には車の列に並び出発する。
折立の駐車場は奥まで満車。路上駐車も溢れ反っている。
約一年振りの折立からの入山。kumiちょと二人ガシ!ガシ!標高を稼ぐ。
お昼前には太郎平小屋に到着。折立からの標準CTは、かなりユルい設定♪
kumiちょと二人小屋前のベンチで早めのランチ&乾杯!(笑
注文したラーメンがうどんに変身していて、どえりゃー怒られた老犬1号(汗
ゆったりまたーりした後は薬師峠テン場へゆるりと移動♪
約一年振りの折立からの入山。今年こそは雲ノ平〜高天原コンプリートできるかな?
薬師峠テン場で今宵の我家を設営し名古屋の裏番夫婦の場所取りを済ませる(笑
一段落すれば裏番&蝗をお迎えするために薬師岳へ向かう二人であった。
薬師岳山荘あたりで小雨がぱらつく。小屋をスルーして薬師岳ピークへ進む。
五色ヶ原からロングルートを縦走してくる彼等が薬師岳ピークを踏むのは
午後4時〜4時半と想定していた。
午後4時半。薬師峠テン場から空身で2時間程登って来た。薬師ピークまではあと少し。
ガスが濃くなってきた。その時ガスのベールから一人の女性が現れた。単独行に見えた。
あれ?kkじゃないのかな?と思ったがその男前な肩幅はまぎれもない裏番バディーだ(笑
歓喜のジョインは笑顔のハイタッチで幕が開けた。
それから少しの間があった。
次にガスのベールから現れたのはヨレヨレフラフラの老犬2号だった・・・
瀕死状態の肺水腫の老犬がこうべを垂れて登場した(笑
薬師岳山荘まで戻りソッコーで乾杯♪ まだ下りが1時間以上あるんだけどね(汗
で、気がつけば裏番のザック(アークテリクス・アルトラ62)は僕の背中にあった。
「シェルパかっちゃん!後は頼んだよ!」 と、鶴(裏番)の一声で全てが決まる(泣
当然のようにテン場まで十数kgの歩荷が始まった・・・
太郎平側から見た薬師峠テン場全景。
盆休みど真中。どこのテン場もゲキ混みだろう。
初のヒル様セッションが始まった♪ しかしテン場は狭く傾斜地が多い。
細長いスペースに前室が被るように差し向かいでのテント設営になった。
ナロもヤヌーも日本の山岳では珍しい部類のテント。
近くまでチェックしに来られていた入山者もいた♪
僕達はテント設営済み。大ちゃん達がテント設営している間にビールの買い出し。
裏番kk「うちら今日は疲れてるから500を3本ずつでえーよー♪」
老犬1号「はいはい・・・」と小屋まで片道20分のパシリに行きましたとさ・・・
太郎平小屋の冷蔵庫でキンキンに冷やされたビールで乾杯!
しかし驚いたのは標高2300mのテン場で蚊の猛攻にあったこと。
各自何十匹パッチン!パッチン!やったか分からないほど忙しかった(笑
今宵のディナーは夏野菜のイエローカレー。もちろん激美味♪
kumiちょの指示で生野菜を山ほど歩荷したからね(汗
五色ヶ原から縦走して来た二人はかなりグロッキー・・・
「あ〜臭い!あ〜疲れた!」 を連発してましたとさ(笑
なので今宵のドンチャンは早々にお開きとなりテントで z z z z z z♪
■二日目
朝からドピーカンの紺碧が広がる北アの空。
今日はまったり雲ノ平までの縦走。昨夜は爆睡の二人もチョーご機嫌さん(笑
整備された木道を南東へ下ってゆく。
振り返えれば太郎平と小屋が印象的に映る。
何度か橋を渡り中俣を薬師沢沿いに南下を続ける。
ユルい下りの木道。日陰等では朝露で濡れている箇所も多い。
テキトーに歩いている裏番kkは5回は転んで尻餅ついていたような(笑
薬師沢小屋手前はゲキ下り。
下山時のゲキ登りを想像してウンザリする(笑
太郎平から2時間と少しで到着した薬師沢小屋。
薬師沢出合からは約2時間ほどの地獄の急登が続く。
バテないようにここで秘薬を一発キメておく♪
最近ちょっぴり秘薬依存症気味なようでやや過剰摂取の感アリアリ(笑
お股スースーな吊り橋を渡る。
黒部川源流と出合う薬師沢。
上ノ廊下から奥ノ廊下へと遡行する沢屋もいる。
美しい黒部の源流を詰める沢登りも夏限定の遊び。いいなぁ♪
大東新道との分岐を右にとれば急登の始まり。
ここから約2時間の行程。撮った写真は下記の一枚だけ(笑
後方でデカザックを担いだ老犬2匹はゼーゼー!ハーハー!
ローリング乗越とかkumiちょの秘技が炸裂した急登(笑
約2時間ほど苦しみ抜いてようやくフラットな木道が現れた。
奥日本庭園やらアラスカ庭園など雲の平へと続く美しい景観。
水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎に囲まれた北アの高層湿原は別天地。
ここが秘境と呼ばれるのも理解出来る空間が広がる。
去年は来れなかったこともあり期待の膨らみが大きかったのも事実。
大ちゃんも書いていたが大きすぎる期待を抱いてはいけないと思う(笑
ある程度、山岳の経験値が増えてくると悲しいかな
感動のハードルも自然と上がってしまっているような気がする・・・
もちろん自身の感受性の問題なのは理解できるのだが・・・
美しいは美しい。素晴らしいは素晴らしい。で良いのだが・・・
なんだか素直になれない大人って嫌ね(笑
薬師沢小屋から何度もレストしながら3時間半程で雲ノ平山荘に到着。
何度もビール♪ビール♪ビール♪とシュプレヒコールで駆け込んだ小屋で
大きな落胆が待ち構えていようとは微塵も考えていなかった・・・
食堂前の看板に大きく表示されていた言葉が
「ビール売り切れました」
久しぶりに山で愕然としてしまった・・・
有人小屋で最も見たくない言葉だろう・・・
いや、山等関係ない。人生において見たり聞いたりしてはいけない言葉だ。
何か大きな病を宣告されたようなウルトラディープブルーな気分だ。
そのとき僕の額には120本くらいの斜線が描かれていたと思う。
人生において過度の期待を抱いてはいけなことは判断できる。
だが無いのだ・・・魅惑の泡が無いのだ・・・た、立ち眩みしそうだった。
裏番や老犬2号の落込み様も酷かった(笑
「私・・・考えがまとまらへん・・・」と裏番。
皆が一様に依存症的発言や悪態をつきながら気持ちを落ち着けようとしていた(笑
辛うじて売り切れていなかった泡が「ソーダ水」だった。
買い占めようとしたが小屋番に拒否された。
一人一本までしか売ってくれない状況だった。
しかたない最初だけバーボンソーダで乾杯しよう。
その後はバーボン沢水割だ。
僕達4名は足取りも重くヨロヨロとテン場へ向かった。
小屋から20分以上かかる遠いテン場だが沢水は潤沢に湧き出ていた。
トイレも仕入れていた情報ほど劣悪ではなくバイオ水洗のフツーの山トイレだった。
老犬2号は臭い臭いと裸になって湧水で身体を拭いてお洗濯だ(笑
で、下記の写真となった♪
この二人はホント”持ってる!”よな〜(爆
ビールが無いので大量に歩荷したバーボンで乾杯♪
大ちゃんテント前で今宵も山より宴が始まった♪
山より宴藍染め日本手拭装着は義務なのだ(笑
岩場ではステルスカラーなヒルバーグ・ヤヌー。
遠くから見たら風景に溶け込んで発見し難いことこの上ない(笑
ディナーの一品目は、スモークチキンとキュウリのマヨネーズ和え。
二品目は裏番特製・ピーマンのコンビーフ詰めをフライパンでソテー♪
これお手軽でかなりイケます♪
アサリ御飯の飯盒が炊けた頃に、コムタンスープも出来上がる♪
daiちゃんとこの無印カレーは絶品♪
無印は今度山飯用の食品チェック&仕入れに行かねば♪
この日は若い二人がジョインする日なのだが日暮れ近くになっても現れない。
裏番が折角メンチ切りながらテントの場所を確保しているのに現れない。
大ちゃんのズームレンズでテン場にやってくる入山者を確認するが現れない。
そろそろ辺りに夜の帳が降りようとしている頃だった。
「あれちゃうか〜!あれやろ〜!」とファインダーを覗く大ちゃんの弾んだ声。
朝一番に折立から入山したUちゃん&きょこちゃんが笑顔で登場した。
辺りは暗くなり小雨まで降り出した。二人を熱烈歓迎しながらも、
皆で協力してUちゃん達のテントをソッコーで設営。
6名でドンチャンしたいが小雨の中では楽しくない。
残念だが今宵はここでお開きとした。
半分残っていた飯盒のアサリ御飯をきょこちゃんに渡して各自もテントに入った。
その後はkumiちょと二人バーボンをちびちびやっていたら眠りに落ちた。
夜半には小雨も上がり満天の星空が広がった雲ノ平の夜。
さあ明日は高天原温泉ハイキングだ♪
そして明日は誰とジョインできるのだろう♪
katsuさん&kumiちょ、改めてありがとうございました☆
返信削除あれから一週間以上経ったけど、この記事で
みんなに会えたときのあの感動が思い出されます♪
もう少し早ければこんなごちそうが待ってたのねぇ・・・
でもkumiちょにいただいたあさりご飯がペコペコのおなかに
染み渡りました~。
この記事と続きの記事からいくつか写真お借りしますね♪
赤牛~鷲羽の稜線から2日に渡って雲の平を眺めて歩きましたけどね
返信削除稜線の上での話題は
「雲の平はダメだ、エグ過ぎる・・・・、混みすぎ&ビールが売り切れてる・・・・・」
ばかりでしたよ
「イヤだね~、絶対行きたくないね~」
と答えて盛り上がってましたが、まさかkatsuさんたちもね(笑)
話し変わって確かに今年は異常に虫が多かったですよね
三俣も烏帽子もひどかった
疲労よりも虫刺されで足がヤバかったです
ハッカ油も一気になくなっちゃった><
きょこちゃん
返信削除こちらこそ楽しい三日間をありがとね〜♪
初日、夕闇迫るなかUちゃん&きょこちゃんが
登場した時はめっちゃ感動させてもらいましたよ♪
写真はなんぼでも持って行ってね〜♪
けんけん
返信削除赤牛~鷲羽のええとこの稜線歩いてましたよね〜♪
そーそー、そのまさかの雲ノ平でドンチャンしてました(笑
三俣や烏帽子も虫ひどかったんやね(汗
kkもkumiちょも顔までボコボコに刺されてましたわ(笑
こんなに虫の多い夏の北アは初めてかも・・・
こんばんは~
返信削除薬師峠のキャンプ場で山友と待ち合わせなんて楽しみ方、いいですねぇ~
日程が限られていても、こんなスタイルなら出会いまでの楽しみもあって
お酒も進むことでしょう~
しかし・・・ビール売り切れの雲の平は恨めしい~
あんな癒しの風景の中でビールが飲めないなんて辛すぎる!
後編も楽しみにしてます~
tekapoさん
返信削除そうなんですよ(笑
四泊五日が一組。三泊四日が一組。二泊三日が一組。一泊二日が一人。
それでもルートが同じであればジョインできてしまうんですね(笑
近い将来、tekapoさんも是非ジョインしましょうね!
雲ノ平山荘でビール売り切れの文字を見た時は正直気絶しそうでした(笑
でも翌日は自分達で大量にビール歩荷したのですよ〜♪
お疲れっした!
返信削除けんけんもニアミスやってんね〜
それにしてもビール売切を知ったときの絶望感といったらorz
誰が悪いわけでも〜 誰のせいでもなく〜
ってことは分かってる、分かってるんだけど
やり場のない怒りと行き場のない悲しみはどうしてくれようか!
と、思ったのはボクらだけではなかったはず(笑)
ソーダが買えて不幸中の幸いだったよね☆
てか、ワシ、どっかの現地人みたいやん(爆)
たぶん、この記事と続きの記事にリンク貼らしていただきますね♪
老犬2号@裸族がお似合いさん
返信削除大ちゃんとこはロングな五日間お疲れさんでした〜
そうそう!けんけんは上から見下ろとったみたいやで(笑
ビール売り切れはあかん!絶対にあかん!
山小屋とはいえ接客業として常に潤沢な在庫を心掛けてほしい(笑
いやほんまに、「売切」の看板には憤りを覚えたあるよ・・・
ソーダ買えたんは小さな幸せやったね♪
てか、老犬2号の裸族スタイルは後編にも登場するよ(笑
>たぶん、この記事と続きの記事にリンク貼らしていただきますね♪
なんとなくあの感じは、そやろなぁと思てたわ!
「私・・・考えがまとまらへん・・・」と裏番。
返信削除死ぬほど笑ぉたw
いや、こりゃアカンでしょ
私なら暴動起こしますよ、はい
いや、スルーして水晶までイッちゃうか?
続きお待ちしてまつ
スロトレさん
返信削除依存症仲間のスロさんなら心底分かっていただける事でしょう。
焦点の定まらぬ皆の虚ろな目線が宙を漂ってましたから(笑
結果論ですがビール販売されていた薬師沢小屋で各自1リットルの
ビールを仕入れたら良かったと泣くほど後悔しました(笑
てんやわんやは後編でも続きます(汗