Summit so far ...

 20111008sat〜10mon　立山宴会物見遊山・二日酔いな二日目

Nanga QualityのSky High Bag 550 / SPDX860FPのシュラフ。
氷点下8℃なら暑いくらいに快適。心地よすぎる寝袋が素敵♪
夜明け前、ナンガ・バルバットから帰還した僕はヨロヨロと雪隠に向う。

夢遊病者か痴呆な徘徊老人の如く千鳥足で夜明けの雷鳥沢テン場を歩く。
更なる降雪は無いが霜が降り凍り付いた地面は白い初冬の情景を醸し出す。
東の空が明るくなり今日も太陽は立山三山に色を与える夜明けの儀式。

昨夜の記憶は忘却の彼方。声は出るが頭が痛い。すわ高山病か？
いや、ただの二日酔いでしょ・・・。雷鳥沢から剱ピストンの予定は未定。
行動予定の大半はコンプリート。大人の宴会登山は終わった。さあ帰るか！（笑

と、いう訳にもいかず重い頭と身体を騙しながらサミットプッシュの準備・・・。
いや、だから、サミットなんてプッシュしませんから・・・。
いや、だから、標高を稼ぐのは宴の席だけにしましょうよ・・・。

とりあえず、尾根までは出てみようか・・・。
で、そこからの行動はそれからの判断にしようじゃないか・・・（汗
雷鳥沢から雷鳥坂を登り、剱御前小舎を四人は目指した。

振り返ると雷鳥沢テン場が小さく見える。
閑散とした感が漂うテントの数が素敵じゃないか。
人口密度は低い程のんびり感が漂いまったりできるから好きだ。

ペースが上がらない。まったくもって上がらない。
天空に響き渡る濁声の嗚咽は十数回・・・。酸素が足りない。肺が満たされない。
酸素濃度は平地の30％OFFだが、僕には平地の30％にしか感じない・・・。
感覚的には8000mのデスゾーンの酸素濃度にバッドトリップしている。

先頭は当然、女子2名が軽やかにステップを刻んでいる。
数時間前まで泥酔者だった2名のオヤジは5歩進んではスタンディングレストな状態。
まさにヒラリーステップ手前の状態に酷似しているじゃないか・・・（笑

高所障害（高山病）は山酔いから始まる。その後、脈拍増加、意欲減退と進み、
デスゾーンでは肺水腫が起こり、チアノーゼそして意識混濁が始まり、
幻聴・幻覚を体験することになる。そうなると脳浮腫を誘発しており、
失禁や眼底出血は当たり前。最後は行動不能になり死に至る。

僕の前に天使が舞い降りた。その天使は小さな小さな女の姿を装っていた。
行動不能直前の僕から無言でアタックザックを外し自身の背中に担いだ。
僕は反論も反抗もなく、されるがままに空身になった。
それはあたかも介護されている痴呆なおじいちゃんにしか見えなかっただろう（汗
あ、ありがとうKuMini料理長。

ほら見てごらん。ようやく救助ヘリ飛んで来たよ。僕たちは助かったんだ。
このグランド・ジョラスのウォーカー側稜から解放されるんだ。
ジェットストリームが吹き荒れる 死の稜線から生を掴んだのだ。

と、脳内エンドルフィンのセルフレスキューで壮絶な二日酔いハイキングを打破したのであった（滝汗
 

で、剱御前小舎でプシュッ！とコーラレスト中。
もう下山でええねんけどな〜僕たち四人にほんの少し妙齢なご夫人が、
「あんたら、せめて別山くらいは行っといでや〜」と勧めていただいた。

こんにちは「剱」。さようなら「剱」。また会う日まで〜♪

カニのタテバイもヨコバイもイカンバイ！

では行こうじゃないか、あのピークまで！　えぇ、ほんの目の前の別山まで・・・。

最後の力を振り絞り、四人は別山北峰までサクッとハイキング。
風もなく快適な初冬の稜線漫歩を堪能できた。日頃の行い良いからね！

えぇと、もちろん真砂岳とか富士ノ折立とか大汝山とか雄山とか知りませんから（笑
軽アイゼンすら持って来ていない入山者は歩いてはいけませんから（汗

男前な女子二人が先頭をグイグイ歩いてくれる。
肺水腫な老犬二人は黙って着いて行きますから〜（笑

老犬一号よりはすこぶる順調な老犬二号はレンズを向けると黙っていられない（笑
そんなピンクパンツァーが好きですから♥

KuMini料理長まで感化されてるし・・・（汗

コンデジの限界でしょうか・・・。
雲海の向こう。遠景には富士山が顔を見せてくれた。

今回、初登場な僕。
一応、ほんまに入山してましたから（笑

あまりに快適な時間にリーダー二人はシェスタな一時。
どうぞ、ゆったり睡眠を貪ってくださいな♪

で、体調も完全復活な老犬二人はリーダー二人のお許しを得て、
剱御前小舎に戻ってきて速攻プシュッとやります。
はい、手の震えも止まりましたから（笑

こんにちは「剱御前」。さようなら「剱御前」。また会う日まで〜♪

飛行機雲まで爽やかすぎる快晴の立山。

テン場まで下りてきたら遅いランチを食べに地獄谷を横切ります。

源泉掛け流し！　いいお湯、湧いてます♪
ゆで卵と一緒にあなたもいかが？

ホテル立山で、壮絶なるピークハントを頑張った僕達にご褒美の乾杯！

富山のエビ美味し！

富山ブラックも美味し！

今回は君に会えました。
夏毛と冬毛のミックスな夫婦に会えました♪

初冬なのに春山のように、のどかな雷鳥沢テン場は素敵な風景。

北アルプスでは必ずトップ３に入るテン場な雷鳥沢。
2300mにある水洗トイレは清潔すぎるし、水が使い放題な炊事場も快適。
ガレ場な涸沢と比べてもフラットな地面がラグジュアリー♪

で、やはり今宵も居酒屋「まいど！雷鳥沢」はオープンするのであった。
まだ昼過ぎですけど、キッチンドリンカーの集いですからいーんです！

自宅から担いできた酒。現地で調達した酒。
質にも量にもこだわりますから（笑

えぇ、いつも通りどんどん上げますから・・・（笑

ホテルでゲットした肴でまたもや乾杯！

壊れる前にディナーの準備。
大ちゃん家、御用達なトックスープ鍋が素敵な宴の始まり（笑
空前絶後な美味しさですから！

焼けるモノは、どんどん焼いて暖まり楽しみます♪
まだまだ新鮮野菜がバックパックから出てくる山行って素敵だなぁ〜。

夜の帳が降りる頃、そろそろ壊れ始める老犬二人。
今宵は何所まで登るのだろうか？
今宵は何所まで走るのだろうか？

今夜は、ほんの氷点下5℃。
昨夜に比べれば暖かな宴を楽しめる居酒屋「まいど！雷鳥沢」

次回の宴会物見遊山行ではダウラギリかアンナプルナか？
素敵な仲間と素敵な入山ができれば幸せ。
僕の14PROJECTな宴会登山は続きます（笑