2018/02/19

It feels great !


20180218 sun 「堂満岳・第一ルンゼはラッセルパラダイス」

去年の積雪期から堂満岳第一ルンゼに入山したいと考えていたが機会を逸していた。
好人ちゃんも堂満岳を考えていたようでジョインして入山する運びとなった。
今期は何処の山域も雪が多いが比良山系もご多分に漏れず積雪量は多い。

実は先週に入山予定だったのだが好人ちゃんの諸般の事情で延期となった(笑
しかしそれが結果的には素敵なラッセルパラダイスを味わえることになったのだ。
ヤマレコ情報で先週は早朝から第一ルンゼに入山したパーティーがあったからだ。

積雪量もさらに増えているようで急傾斜では雪崩のリスクを払拭できない。
もちろんマムートのビーコンは携帯したが、それに頼る事態には遭遇したくない。
この日は入山者も多い。僕達はイン谷口を8時半に出発した。

 

イン谷口の駐車場ではテントを張ってキャンプを楽しむファミリーも居た。
小さな子供達を遊ばせるには十分な積雪量だ。


多くの入山者も大半が金糞峠方面に登っていった。
幾つかの堰堤を過ぎて中央稜&第一ルンゼの分岐を9時20分に通過。


トレースはしっかりある。
こりゃ楽勝か?この時はそう思った。


岩場を乗り越えてしばらく登ると中央稜との分岐に到着。
中央稜では2パーティーが左右に分かれて登攀を始めるところだった。


そして右側の第一ルンゼを見渡すと・・・
ノートレース! マジか!!!
ラッセル・・・久しぶりやなぁ(汗


9時40分。好人ちゃんが気合いマックスで登り始める。
最初っからそこそこのゲキ登りにアドレナリンも湧いてくるよね!


と、思ったら好人ちゃんの一言「これ・・・壁や〜ん」
まあ、それでもこの頃はグイグイ!登ってゆく。


ただ気になる事に小さなスノーボールが転がった痕が無数にある。
デブリの痕はないが雪崩の恐怖からは逃げられない・・・


この辺りは膝ラッセルで急登を進んでゆく。


しばらく登ると好人ちゃんが「かっちゃん〜!先頭交代〜!」
複数名で登る時は体力消耗を少なくするために頻繁に先頭交代するのが常識。


「次のコーナーまで!」とか「次のあの岩まで!」とか
大体の距離を測って何度も先頭交代を繰り返す。


ただし目線は上部雪面から極力離さない。
クラックが走ったら? 雪面上層が動いたら?


直ぐにフォールラインから避難行動がとれるのか?
あれこれ脳内シュミレーションしながら登る。


殆どのパートで四つん這い状態になる。
ピッケル2本あったほうが間違いなくラクチンだよ・・・


だいぶ高度感が出てきたね・・・
ヒップソリで降りたらボブスレー並のスピードが出そうだよ(汗
メイビー、コントロール不能だろうね〜(笑


壁、 壁、 壁、 壁、 壁・・・
体力が剥ぎ取られてゆく・・・


全ルートの半分以上がこんな感じかなぁ
苦しいの大好きなドM達には良い感じではないでしょうか(笑


この辺りで腰から腰上ラッセルに変わってきた。


蹴り込んで膝をグイーと入れる! 地味にそれの連続である。
一歩一歩に時間がかかる・・・


それでも最初は薄暗いルンゼから始まったけど、
空の面積が少しずつ広がってきた。


ルンゼってドイツ語であって英語ならガリーだよねぇ。
登山用語の大半がドイツ語由来が多いよね。
クーロワールはフランス語ね。


青空も広がってきて好人ちゃんもテンションマックス!!


壁を乗り越えて振り返った画。
上から見たらストン!と切れ落ちているように見えるのよ(汗


登っていて感じた事の一つが雪質の変化。
重く湿った感じのパートもあれば、軽くパウダー的な雪もある。
そうかと思えばクラスト気味で硬くなった雪面もある。


クラストしてこのまま楽にトップまで抜けられるかなと思うと、
またもや深雪地帯でもがいたり・・・
かなりの変化に最後まで楽しめたなぁ(笑


同じ雪面でも場所によって雪の深さが変わる。
浅くなったと思ったら急にズボーっと沈んだり・・・


たぶん尾根だろうと思われる樹林が見えてきた。
しかしここからも長かったな〜


振り返ると琵琶湖も目視できた。
あともう少しなんだけど・・・


この辺りでは普通に胸ラッセルになった。
腕とピッケルで目の前の雪を横へどかして足を蹴り込んでゆく。
そこそこ時間かかるし体力消耗も顕著である。


目の前の壁の雪をどかす!
肩ラッセルか顔ラッセルか分からなくなってきた。
二人で「しんどいなー!」と喋るが、その表情は嬉々とした笑顔である(笑


しかしこの辺りで一瞬進退窮まった状況があった。
雪が深く身体ごと沈んで行きそうになるのだ。
左手の岩場にトラバースしようと試みるも雪はさらに深い・・・


元のルートに戻り少しでも雪の浅い所を見つけて事なきを得た(汗
ちょっぴり冷や汗ものだったね(笑


上の樹林がGPSで尾根だと確認できた。
ここからはラストスパート!


なんとか11時45分に尾根に到着!
そこそこ安堵したのが本音(笑
3時間のラッセルパラダイスも終了となった。


マザーレイク琵琶湖が横たわる風景にまた会えた。
湖面がキラキラ光って美しかったなぁ♫


北側の武奈ヶ岳方面の山々もパノラマで見渡せる。


当初は第三ルンゼを下降しようかとも相談していたのだが・・・
二人ともバリエーションルート満腹状態であった(笑


ノーマルルートを金糞峠経由で大山口〜イン谷口へと下山する事にした。


可愛らしい雪庇がぼちぼち育ってます♬


風のない樹林帯に入ってからランチをすることにして先を急ぐ。
尾根筋も比較的風は弱く穏やかな一日だったのではないだろうか。


ランチ後は歩きやすい樹林帯をドナドナと下山する。


金糞峠・・・今更ながら素敵な名前だね〜(笑


関西近郊で壁ラッセルしたい人には堂満岳はお勧めです♬
トレースが有るか無いかは運次第。
今日のようにトレース無い日が大当たり!(笑
シーズンもあと僅かなので是非チャレンジしてください!


今回はビーコン一台だけだったのでサーチの練習もできず。
次回は一台レンタルして雪上でサーチの練習せねば・・・


ここまで降りて来ればイン谷口の駐車場まであとわずか。
駐車場付近では多くのファミリーが雪を楽しんでたな〜♬


13時40分コンプリート!
5時間ほどの入山時間でしたが濃密で有意義な山行となった。
近郊の山は積雪期シーズンは終盤戦!
次週は久しぶりに大峰方面でテン泊して雪山を楽しむ予定です。

4 件のコメント:

  1. マジか!!! トレースあらへんやん!と、思ったけど
    無い方が100倍楽しいと途中から思いましたよね★
    無数のスノーボールだけど木についた雪が風で飛んで
    流れてきてたのであまり気にはならなかったけど
    終盤GPSで確認した場所までは終始雪崩の恐怖感はあったわ。
    この日第三ルンゼの方はガイド登山で10人ほどのパーティーが
    登ってたみたいよ。
    ホンマええ山行になったわ(^_-)-☆ ありがとうね。
    また大峰の方も宜しくです。雪残ってるかな~

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  2. えれぇこった2号2018/02/21 17:58:00

    かっちゃん

    ラッセルお疲れ様でした!
    ラッセル地獄で、5時間で下山ってすっごいスピードでラッセルしてんですね!
    凄い«٩(*´ ꒳ `*)۶

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  3. 好人ちゃん

    先日はお疲れちゃんでした〜
    最初は当惑したけど、トレースが無かってマジで良かったね!(笑
    当初の想像よりもはるかに良い山行になって楽しかったね〜♬
    第三ルンゼのパーティーはヤマレコで確認しました。
    僕らの二日後くらいにはtotoちゃん夫婦とロカちゃん夫婦も入山してたみたいやね〜
    もちろん彼らは中央稜やけど(笑
    週末の大峰山系もヨロシクね〜
    天候はイマイチかもね・・・

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  4. kakaちゃん

    お褒めの言葉ありがとうございます!
    僕らはまだまだクライミングスキルもアイスの道具もないので・・・
    中央稜は遠慮しときました(笑
    kakaちゃん、アイスを教えてくださいな〜♬

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