2015/03/30

Islands in the Stream / First part


20150314 sat - 17 tue 澎湖諸島・海流の中の島々」前編

台湾の西方約50kmに点在する90にも及ぶ島群を澎湖(ポンフー)諸島と呼ぶ。
北回帰線付近に位置するするため年間を通じて温暖な気候である。
かつては日本軍が統治した時代背景がある澎湖諸島。現在は観光と漁業が主な産業。

そこには暖かな海流があり、その恩恵は豊潤な海の恵みを授かる。
海流の中の島々で漁師達は魚を追う。そこは中国大陸まで100kmも無い海域である。

澎湖諸島は南宋の時代には中国領土であった。
中国そして日本に翻弄された歴史背景がある澎湖諸島。

タイワニーズはチャイニーズと呼ばれる事を嫌う。
彼等は明確な一線を心の中に引いている。国民のプライドや尊厳を感じる。
台湾の仲間と高雄(カオシュン)から漁船に乗り5時間もかけて澎湖諸島に向かう旅。



高雄(カオシュン)西部の港。時間は午前三時。
深夜と早朝の狭間で出船の準備に追われる。
大量のジギングタックルと氷が積み込まれる。
Yuくん、Linくん、Tengさん、南さん、尚有望の船長。
スペシャリストなジギングアングラー達との旅が始まる。


決して広いとは言い難い船室。ここに六名の男達を詰め込む。
運転席と助手席の後のスペースで四名が雑魚寝する。
ポイントまで五時間の船旅。うねりに揺られながら睡眠を確保しなければいけない。
繁忙期のメジャーな山小屋の大部屋が快適に思えるくらいの空間なのだ。


不自由を楽しむ術を心得る人達は幸せなのだ。
わざわざ金を出して不自由という名の行動を謳歌する。
その先にある達成感という蜜の味を熟知しているからだ。


大きなうねりは無い。吹いてゆく風はメロウで優しい。
ポンフー諸島の南東部の海域に到着したのは午前8時に近かった。
船足は決して早くはない。多分20ノット前後で航行したのだろう。


気温は25度を大きく越えている。日本なら初夏の気候だろう。
ただし海上では湿度も高く動けばすぐに汗が噴き出して来る。
ポンフーの陽射しが剥き出しの腕や足をジリジリと焼く。


水深は50mから80m前後だ。メタルジグを投入しフィッシュイーターを誘い出す。
だが思いの外、潮は緩く大型魚の活性は低い。
それでも小型のハタ類やタイの近縁種が遊んでくれる。


山を始める前は色んな海域に遠征釣行した。
輪島、対馬、室戸、足摺、屋久島、沖縄、奄美、トカラ、南大東島、済州島、
久米島、小宝島、男女群島、等々、海流の中の島々へジギングの旅を続けた。


だが今はもうジギングロッドを握らなくなった。
その代わりカメラを片手に漁船に乗り込む。
エキスパートアングラー達の取材をする仕事のみだ。


今回も船上カメラマンとしてポンフー諸島へやってきた。
仕事として躍動感のある写真を撮りたい。ただそれだけ。


時折こましなカンパチがヒットする。
船長が海面で素早くギャフを討つ。


ビッグワンには程遠いサイズにYuくんの笑顔も微妙だ。


操船しながら船長も順調にカンパチをゲットしている。


最後まで力強くファイトしてくれるスギも釣れる。


真鯛、カンパチ、カツオ、アオハタ等が次々と大型クーラーを埋めてゆく。


船首と船尾にあるイグロの大型クーラー4個がみるみる満タンになる。
潮が悪い。食いが悪いと言ってもこの釣果は豊潤なる海域の証だ。


見渡す限り水平線に囲まれた大海原で魚と対峙する。
ロッドワークやルアーアクションを考えながらフィッシュイーターを誘う。


陽は傾き水平線に沈む時間が近づいて来た。
残念だがこの日はビッグワンには出会えなかった。
朝から夕刻まで船首へ船尾へと右舷、左舷にせわしなく走り回り
シャッターを切り、ムービーを回した。


心地良い疲れを感じながらポンフー諸島の港へ向かう。
充実感とか達成感とかでは無いのだが、独特の柔らかな高揚感が前頭葉を支配する。
可もなく不可もなくだが、船上カメラマンの一日が終りを迎えた。


ポンフー諸島のメインアイランドである七美島の漁港に到着した。
漁港の目の前にある建物が今宵のお宿である七美漁村民宿だ。



日本の地方にある漁港となんら変わりはない牧歌的な風景だ。
ただ読めない漢字の看板が多いだけ。


僕以外のアングラー達が釣った魚を民宿に持ち込む。
その魚を厨房で調理してもらう。


カツオとカンパチの刺身はぶつ切りで出てきた・・・
新鮮な魚が必ず美味いとは思わない・・・
旨いと感じるアミノ酸が回るにはシメてから24時間以上が必要なのだ。
足の早いカツオやサバ以外は魚だって熟成させる方が断然美味いと考える。

だが煮たり焼いたり揚げたりした魚達は多種多様な味を堪能でき美味い。


日本語と北京語と英語が飛び交いながら台湾麦酒を楽しむ宴。
テーブルを何度も回しながら今日の反省会と明日の意気込みが語られる。


ディナーの後は皆で夜更けの港を徘徊する。
夏場の喧噪はそこには無いが、飲み屋のママ連中が出勤途中である。


漁師や観光客相手のスナック等も少なくないようだ。
明朝も出船が早い僕達には関係の無い光景だった。
釣る方も撮る方も仕事の意識が強いクルーの集合体なのだろう。


さて、明日は大漁に恵まれるのだろうか?
画になるビッグワンはヒットするのだろうか?
酔っぱらいながらも、そんなことが脳裏をよぎる澎湖諸島の夜。

6 件のコメント:

  1. (~_~;)
    鯛系はなんか日本では見かけない様な種類みたいだけど、カンパチは同じなんだねぇ〜
    僕もチヌの掛かりにはのめり込んだ期間があるので楽しさも解る!
    釣りの醍醐味も良いよねぇ(^_−)−☆

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  2. ウーム、最初のハタっぽいヤツがイチバン旨そうら〜。
    カツオはソーダっぽいね?
    ソーダの血合いを生食するとヤバいんだってね〜。
    尾鷲の旅館の女将が言ってた(笑)

    >明朝も出船が早い僕達には関係の無い光景だった。
    でも、最終日は……。期待しておりま☆


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  3. bp-hiroちゃん

    鯛系の魚の名前、北京語で教えてもろてんけど忘れたわ〜(笑
    ジギングは20kgや30kgの青物とパワーファイトできる魅力が大好きだわ♫
    山では感じられない魅力があるよね!

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  4. daiちゃん

    似て非なる物・・・ソウダカツオに似てるけどヤイトカツオです♫
    胸びれの下に灸の跡が三ヶ所あるのよ(笑
    最初のビンゴでアオハタやで。 でもジャムじゃないし!

    >でも、最終日は……。期待しておりま☆
    アカン! HOTS社長は厳しいから無問題でおま!☆

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  5. 素人で分かりませんが、それにしてもなんかデカイのんじゃんじゃん釣れてそうじゃないっすか♪

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  6. エノちゃん

    これじゃダメなのです・・・
    20kg〜30kgクラスを狙っていたのですが・・・
    まあ、難しいですわ(笑

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