GARMIN eTrex 20J

2015 March　「今どこに居るのか？  どこへ向かうべきなのか？」

確か6〜7年前だったと思うのだが・・・
ブラザー雲消しKENちゃんと平日の誰も居ない厳冬の伯耆大山に登った時のことだ。
弥山頂上避難小屋付近で本気のホワイトアウトに遭遇したのだ。

ついさっきまでの青空が見えなくなり濃霧が辺りを支配し始めた。
僅か数分で目の前にあるはずの避難小屋が見えなくなった。
あっという間に白の濃度は尋常では無い程濃くなり、自分の登山靴すら霞み始めた。

頂上付近は10数メートルの強風が吹いている。なのに白の世界が辺りを征服している。
僕は恐怖のあまりしゃがみ込んだ。まだ消えていない自分のトレースを必死に探した。
這うようにしてトレースを辿りすぐ側にあるはずの避難小屋を探し転がり込んだ。


この時の恐怖は今でも忘れない。避難小屋の側だったから救われたが・・・
人間視界が利かなくなると三半規管に異常を来たし変な浮遊感に襲われる。
当時はまだ禁止されてなかった剣ケ峰縦走を撤退したのは言うまでもない。

例えば厳冬期に広い頂上台地とか枝尾根の多い山でホワイトアウトになったら・・・
地図とコンパスで多少の地図読みは出来るがそれは視界が利いての事。
道迷い遭難的なリングワンデリングの恐怖を拭える術はなかった・・・
多分この頃からGPSの必要性を強く感じ始めていた思う。

ある程度、山の経験値が上がってくると標識だらけのハイキングルートに
興味を失う人はある一定数いるでしょ。
で、そこから長期縦走やバリエーションルート、沢登りやアルパインクライミングと
エスカレートしてゆく人は決してマイノリティーでは無いと思う。
で、それってより多くのリスクを背負って入山しているわけであって、
尚かつそれが楽しいってことが百も承知の助なんだよね。
で、山岳保険に始まってツェルトにコンパスに非常食にビーコンやらゾンデ棒やら・・・
皆一様に山岳遭難に対してあれこれ保険的道具を物欲の名の下に所有してゆく。

でも一番大切なのはもしもの時に自分が「今どこにいるのか」
「どこへ向かうべきなのか」が、必要なのではないだろうか。

雪崩や滑落は突発的な要因が多く余裕を持って考える時間等無いに等しい。
唯一思考出来る遭難は道迷いだから。

とある机上講習で山岳ガイドが
「今、自分が何処に居てるか把握できなくなった時点で遭難です」と解説された。
言われてみればその通りなのだが、その時点では「遭難」を受け入れ難いと思う。
だからその時点から速やかに復帰できる文明の利器はリスク軽減に大いに役立つ。

でも決して安い買い物でもないし数多ある煩悩優先順位がなかなか上がってこなかった。
だが最近になってGARMINの正規代理店いいよねっとのキャンペーンを知った。
なおかつ好日山荘・有馬店がオープニングセールでポイント還元13%！！！
口角が必然と上がり、煩悩スイッチが点火しプライオリティーは最前列へと押し上げた。

地図はどうしてもTOPO 10M Plus V3を使いたかったのも購入理由の一つ。
詳しいことはこちらやこちらでチェックしてくださいな。
興味ある人は勿論とっくにROM済みでしょうけど。

さて、これで希代のルートロスターは卒業となるのだろうか・・・
まっ、それに、やっぱ、命を守るものやから〜(^_^)v
で、さらなるeTrexブロスは増えるのだろうか（笑