2014/11/06

Chaos Maze


20140816 sat 「迷路の先には何も無いんだ」

カオスのニューデリーから コンフュージョンのオールドデリーへ
人力車での移動はギミックだらけのアトラクション

クラクションと怒鳴り声 喧騒渦巻く混沌とした世界
差別は無秩序を生み 乱雑な社会は混乱を生む 階層社会の根底にうごめく病巣

熱波の海を泳ぐように人々は生きる 僕の非日常がここでは日常
ヒエラルキーの最下層の路地裏 狂気の湿度に目眩を覚える昼下がり




ニューデリーでのガイドは日本語が堪能な男だった。
身長は僕と変わらないが体重は力士なみだろう。


ギョロ目で彫りの深い顔に口髭と浅黒い肌の色。典型的なタイプ。
その四十代の男は流暢な日本語を操りせかせかと案内する。


右手に持ったハンカチで額の汗を拭きながら分厚い左手で手招きする。
商売っけたっぷりな眼差しはギラギラしている。


名前はたしかラウールとかいった。
仕事でもプライベートでも絡みたくないタイプ。


僕も愛想笑いくらいはできる。無難に対応するさ。
ガイドが街角に溜まる人力車の集団に声をかける。


商売上の知り合いなのだろう。一言二言で配車は完了した。
ガイドを乗せた人力車が僕達の前を走る。


デリーの街は人も車も酷い渋滞が続く。
日本の夏を凌駕する高温多湿の国。うんざりする。


ニューデリーからオールドデリーへ人力車で移動。
耳をつんざくクラクションと怒鳴り声の連続。


怒鳴っていなけりゃ無表情。笑顔は一度もみかけなかった。
人力車の運転手にチップを渡しても口角は一切緩まない。


まあいいさ。こちらも君たちに期待などしていない。
フリーで道を歩けば客引きの多さはハンパない。


観光客は当然カモネギに見えるのだろう。
ラダックには再訪したいがデリーの地は二度と踏みたくない。

出口など無い迷路に光は射さない。
そんなことは百も承知で彼等はもがく。
そんな文化や制度に僕は悪寒を覚えた。

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