2012/01/15

Fighting Spirit


20120107sat〜08sun 「料理長冬期登山技術体力向上委員会」

泥酔店長こと老犬1号は星一徹となるべく再び立ち上がった。
料理長の冬期登山における技術と体力向上を主たる目的として、
一徹と飛雄馬の如く厳冬期歩荷トレを行った。

当初は大峰の天川川合から狼平を目指そうかと考えた。
僕が密かに敬愛しているD師匠も苦難する大峰厳冬期男前ルートだから。
今年の正月もルートファインディングができず撤退した登山者もいる。

いや、待てよ・・・そんなご機嫌な厳冬期男前ルートに、
容易く料理長を連れて行けば、下手すりゃ遭難必至か・・・。 
うむむ・・・危険が危ないので入山ルートを前日に慌てて変更。

夏なら快適なハイキングルートも厳冬期はその表情を一変する。
雪深い大峰の冬を侮ってはいけない。容易く生の裏側と背中合わせになれるから。
ならば比較的、無難に登頂できる台高の高見山に入山した一徹と飛雄馬であった。




初日、午後からの緩い時間帯の入山になった日曜日。
伊勢街道は正福寺の手前、高見登山口からの入山。
泥酔店長老犬一号一徹が高見山に来るのは数年振りのこと。


登山口からサクサク小一時間ほど登れば小峠に到着。
ここで本日最小のレスト。もちろんあの秘薬でキメキメ必須プレイ。
前日、一徹店長は飛雄馬料理長にキメてマックス歩荷トレの指令を出していた。


酒や水に食材など負担になるものを飛雄馬料理長に極力歩荷させた。
結果、飛雄馬料理長は登山人生初のオーバー15kgのザックを担ぐことになった。
ちなみに一徹店長は酒の負担が無い分ほんの22kgのザックを担ぐだけでよかった。


傾斜が増してくると、飛雄馬料理長の冬期歩荷トレの辛さが倍増していった。
一徹店長の指導は相変わらず厳しかったが「ムチ」ばかりではない。
「アメ」の指導もなければ伸びる芽を摘みかねない。
最大限のパフォーマンスを引き出すための押したり引いたりを考慮する。


この指導方法、レディーKKならブチ切れてアイゼンキックが飛んでくるだろう(笑

そして「目指せ!猿板さっちゃんプロジェクトX」でもある。そう男前度を上げるため。
まあ、スキルもフィジカルもポテンシャルも違いすぎるが・・・。
そう、少年野球がメジャーリーガーを目指すようなものかもしれない(汗


だが飛雄馬の根性だけは見上げたものだ。音を上げたり放棄することはない。
たとえ牛歩でも負けず嫌いの性格は一歩一歩上を目指すのだろう。
そして苦しさが極限に近づくと、軽いPTSDから自身の心を守るため
なにやら聞き取り難い「独り言」が始まる・・・。


ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・


ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・


ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・


ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・


幼児が自分の限界など分からず遊び続け、電池が切れたように倒れて眠る事は多い。
飛雄馬にとってもオーバー15kgを担ぎ登り続ける事の限界に近づいてきたようだ。
一徹が5分間登り振り向くと飛雄馬とはかなりの距離が出来ている。
一徹は決めた。「残念だがタイムオーバーにしよう」。


一徹 「ザックをわたせ」
飛雄馬「いやや・・・

一徹 「あかん、えーからわたせ!」
飛雄馬「いやや・・・

一徹 「日暮れに間に合わん。残念やけど時間切れや・・・」
飛雄馬「わかった・・・


一徹は飛雄馬のザックを胸に抱くように担いだ。
一徹は考えた。「おや? 待てよ。 誰の歩荷トレだったのだ?」
時すでに遅し、一徹は自身の登山人生初のオーバー37kg歩荷トレが始まった。
そして空身になった飛雄馬は飛ぶように軽やかに一徹を追い越していったのであった。
上の方から「はよ、おいでや〜♪」と飛雄馬の声。
拳を握りしめほんのりと殺意をいだいた汗まみれの一徹であった・・・。


そんなこんなで高見山の頂に到着した一徹と飛雄馬であった。
台高山脈の夕景を撮影していたカメラマン三人はヘッデンを点けて下山していった。
そしてピークは一徹と飛雄馬の貸し切りとなった。


一徹と飛雄馬も互いに台高山脈の夕景を楽しんだ。
さて飛雄馬の冬期登山技術体力向上委員会としてはテントをどこに設営するか。
当初は氷点下の風が吹きすさぶ神社横か避難小屋前か避難小屋上と考えていたが・・・。



避難小屋が空いてるじゃん!と一徹は考えた。すでに飛雄馬の向上委員会の事など頭に無かった。
ドア無いけど風雪しのげるから楽だよね〜と考えた。
あっさりと避難小屋内にテント設営することにした一徹であった。

あぁ、人としてほんとに残念だ・・・。



氷点下10℃であろうがテント泊であろうが冷えたプシュ!は欠かせない。


飛雄馬料理長が飯を炊き肉を焼く。
一徹店長はその横でビールを呑み焼酎を呑む。
うむむ。とてもバランスのいい二人じゃないか。




一徹と飛雄馬の氷点下での宴は続く。
飛雄馬は、ほどほどに。
一徹は、そこそこに。


飛雄馬が作る酒の肴は一味違う。
山芋の梅肉和えなどは山頂でなかなか食えるものではないだろう。


街の灯りも月の明かりもとても素敵な高見山♪
と、夜も更けてゆくのであった。



翌朝、吹雪いた昨夜。吹き込んだ小屋内は真っ白。
放置プレイなガス缶やバーナー、カトラリーからタオルまで粉雪を被っていた。
一徹よ「お前、登山何年生やねん!」ってツッコミが聞こえてきそうで怖い・・・。


早朝の輝く樹氷には会えなかった一徹と飛雄馬であった。
ホワイトアウト寸前な夜明けを向かえた高見山。



当然、山の朝はプシュ!から始まる。
飛雄馬が歩荷した、ちょいと贅沢なシルクエビスに一徹は朝からご満悦であった。


朝食はお豆さんたっぷりの熱い朝粥。しっかり身体の芯から温めよう。


下山はアイゼンを装着して一徹と飛雄馬は下りていった。



昨日、登る時は基礎の反復練習を何度も続けた。
一発サヨナラ系の無い登山道であり凍結個所も無かったので、
最後までアイゼン装着の指示を一徹は飛雄馬に出さなかった。



足指で地面を掴む感覚がどれほど大切なのか。
フラットフッティングとキックステップの正しい技術。
当たり前の基礎技術も安易にアイゼンを装着すると感覚が鈍る。


空身では踏ん張った時に滑らない斜面も、
オーバー15kgのザックを担げば容易に足が滑ったようだ。
足を滑らせないで登れる術を早く多く身に付けてほしかった一徹であった。


コイツにだけは出会わない事を祈るばかりです。
もし出会っても良い子は喧嘩しちゃいけないよ☆



下山は高見杉の避難小屋から、たかすみ温泉へ下るルート。
下界の赤や黄色の旗にフラフラと吸い寄せられる一徹と飛雄馬であった。


無事の下山を口実に速攻プシュッ!で乾杯します。
タコ焼きもレベルの高い美味さであった。



最後は、たかすみ温泉の露天でぐだぐだになるまで茹蛸になりましたとさ〜♪


次回予告は「永遠の永遠の永遠」

収録済にて、たぶん・・・近日公開予定♪♪♪

18 件のコメント:

  1. とち@明子ねえちゃん2012/01/15 22:01:00

    一徹店長
    >一徹は自身の登山人生初のオーバー37kg歩荷トレが始まった。
    目指せ河童ちゃん!!

    そうよ
    飛雄馬料理長
    一徹店長が背負えばいいのよ。
    だって飛雄馬料理長はおいしい食事が作れるんだから!

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  2. 写真TKM90807、笑いました(笑)
    生活感?出てます:-)いい感じ。

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  3. レディーkkです。そうです、私なら間違いなくアイゼンでドロップキックです。
    しかし・・・、飛雄馬料理長のサイズとザックのサイズの比率がおかしくないですか???

    >そうよ
    >飛雄馬料理長
    >一徹店長が背負えばいいのよ。
    とちさんに賛成、わたくし的にも一徹が背負う、に一票!
    しかし、我が妹(と勝手に)、ku-minはすごい!!

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  4. 一徹よ・・・・。

    Good job P( ̄□ ̄;)!!

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  5. >あぁ、人としてほんとに残念だ・・・。


    ご同輩
    この一行、きっと2011年度下半期最高のセンテンスかと
    たっぷり2分間笑いまつた

    ( ̄ー ̄)

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  6. とち@明子ねえちゃん

    えぇ、目指してますよ。河童ちゃんを。
    もちろん笑いのスキルですけどね(笑

    飛雄馬料理長は、お褒めの言葉に感涙に咽んでおります(笑

    って、やっぱ星明子人気はすごいよね〜♪

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  7. ありがとうございます(汗
    生活感、出まくりすぎでした(笑

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  8. レディーkkちゃん

    やっぱし!?(滝汗
    ドロップキック優しくしてね〜♪

    >とちさんに賛成、わたくし的にも一徹が背負う、に一票!

    はいはい、どうせ僕がヒール役をやってれば楽しいもんね〜(笑
    って、まあ計算はしまくってますけど、何か?

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  9. 河童ちゃん

    あじがと〜・・・。
    四国でもやるで P( ̄□ ̄;)!!

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  10. スロトレさん

    なんだかスロトレ流行語大賞にでもノミネートされたような(笑
    ご同輩、2分間も笑っていただければ本望でつw

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  11. ダメだぁ、食べ物にしか目が行かない。
    ただの白米がスゲーうまそうに見えてしかたないです。

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  12. ちん@ドMちゃん

    >ただの白米がスゲーうまそうに見えてしかたないです。

    それが基本やで! ほんでから、それが全てかもしれへんで〜♪
    美味い白米に勝てる食材を想像することは容易いことではありませぬ(笑

    daiちゃんとこからでも出版しない?「俺の山と飯」みたいな〜。

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  13. 「俺の空と飯」っちゅーのも見てみたい(笑)

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  14. dai chang

    えぇと、本宮ひろ志、方面でしょうか・・・(汗

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  15. こんなに美味しそうなごはん。。
    食後なのに別腹が食べたいと申しております^^;

    あ、私も遅れ始めると独り言、やりますよ♪
    どんどん離れると、どんどん自由勝手に一人二役とかで喋ったりして、
    そういうときに限ってカーブの先でばったり人とすれ違って
    非常にバツの悪い思いを何度もしてます。。。

    料理長様、すごいです!
    私も見習わなきゃと。夏山に向けて修行をしたいと思いました!!

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  16. きょこさん

    お褒めいただきありがとうございます。
    kumini料理長も鼻高々なことでしょう(笑

    きょこさんも独り言で自身の心を守るタイプですね♪
    しかも一人二役とは料理長もびっくりです!
    カーブでスレ違った人は、そりゃドン引きするでしょうね(笑

    体力、精神力、料理力がんばってください。
    応援してますよ〜♪

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  17. スロトレさんからやってきました。
    インパクトがあって楽しいブログですね!
    春~秋の安全登山ですが
    オフシーズンに
    山と都会のケータイ電波事情の特集をスタートしました。

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  18. たそがれ清兵衛さん

    コメントありがとうございます。
    お誉め頂き光栄です。

    たそがれ清兵衛さんのブログにも
    近々お邪魔させていただきますね。
    m(__)m

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