2011/09/30

Wandering gens d'armes / first part


20110924sat〜25sun ジャンダルム縦走・前編

穂高界隈には今まで幾度登山に来ているだろうか。去年も確か二回訪れている。
今年もまた愛しの穂高にやって来た。僕にとって北アの原点かもしれない。
北アで山遊びするのは、ここが最適だと考えた時期もあったくらい。

ある山行では右目でチラリ。ある山行では左目でチラリ。
何度も何度も麗しの稜線だけは見続けてきたのが本音。
君のことが好きなのに、好きだとは言えない青年のような心理。

その後、数回チャレンジはしたが、天候や日数に阻まれ撤退しているのが事実。
ようやく憲兵は通行手形を渡してくれた秋の一日。冒険する心を忘れてはいない。
愛しの頂に会いに行くワクワクやドキドキが、たまらなく心地いい入山の朝。



兵庫、京都、愛知。三県から三人が集まった。
冒険する心を忘れていない大人達が三人集まった。
けんちゃん、大ちゃんとチンドン三銃士が憲兵を越えた二日間。


金曜日の深夜。新穂高の登山者専用無料駐車場はやはり満車。
橋を渡り蒲田川右岸の有料駐車場に到着するも想定外の気温に驚く。
標高1000m程度の場所がこの時期にまさかの氷点下。
車中宴会後の車中泊は寝袋にもぐり込むも、
今期の氷点下にまだ身体が順応しておらず安眠できずに苦慮する。
誰かがトイレに起きれば迷わず三人一緒に車を出ること数回(笑


5:30am 睡眠不足なチンドン三銃士は右俣林道を歩き出す。
小屋前の穂高牧場の牛達は今日も朝から元気に草を食む。
白出沢出合からは樹林帯の登山道を太陽に向ってへハイクアップ。


梯子を登り頻繁に流される重太郎橋を越えれば最後の水場。
振り返れば笠新道の南に鎮座する笠ヶ岳が威風堂々。
森林限界を越えればザレた石やガレた岩のオンパレード。


遠くに穂高岳山荘の石垣が確認出来るもまったく近寄ってはこない。
荷継小屋跡からのガレガレ急登に何度も何度も心を折られる。
ましてや時おり聞こえたり見えたりする落石に注意しなければならない。


北アルプスの、如何なる長い急登(沢筋)より面倒くさい白出沢。
足下の岩や石が動き、足やストックが沈み流される沢筋。
片足に体重を乗せた岩が不意にスライドする地雷的登りは苦労の連続。
ある種の浮遊感すらある浮き石 on  浮き石なルートは距離や傾斜以上に神経を使う。


最も体重の軽い大ちゃんが良好なテン場確保のためラストスパートを始めた。
最後の標高差200mを飛ぶようにハイクアップする大ちゃんは素敵♪
僕もけんちゃんも追いつけないスピードには圧巻させられたシーン。


大ちゃんのスピードアップの秘訣はコレしかないだろう♪
快晴の頂で昼間っから最高の一杯を何杯も飲むためのスキルなのだろう(笑
理由はどうあれ、楽しいのだからそれでいいじゃないか♪


12:30am 長い宴会の始まり。何本ものロング缶が消費されてゆく(汗
大量の汗をかいた身体に、五臓六腑にしみ込んでゆく黄金色(笑
山に登る理由の大半はこの一時のためかもしれない♪



風も雲も無い暖かな3000mの午後。
素敵で快適すぎるテン場に酔っ払い達の下品な関西弁が響く。
あぁ、どうして僕たちはクールに過ごす事ができないのだろうか・・・。


涸沢岳に登る者。奥穂高岳に登る者。有意義に午後を過ごす登山者達。
それらを横目に酔っ払い達は標高では無いメートルをのばす(笑
えぇ、百名山にもピークハントにも、こだわりは無いですから♪


河岸を変える。街でも山でもこの習性は変わらないようだ。
酒と食料を持って小屋の自炊場へ移動する。いつも通り素早くテーブルをゲット。
ついでに、いつも通り若い衆もゲットして宴は続く(笑


クールでナイスガイなカズくんは大阪在住の30歳。
関西にもクールなナイスガイがいるのね(笑
今回の北アはソロで槍〜西穂の縦走らしい。

 カズくん 「ジャンって、どうっすか?」
オヤジ3人 「いや・・・あの・・・その・・・僕らも初めてなんで・・・」(汗

でも過去のブログネタの時に「あっ、それ読んだ」って言ってくれたのは嬉しいな♪


ここにもメスティン使いの達人がいた。
カズくんはサクサクと飯盒を炊いて玉子持参でヤキトリ丼をコンプリート。
食後のデザートはトウモロコシでサクっとポップコーン。



ソツなくスキなく上手すぎる完成度の高さに脱帽するオヤジ3人。
隣の席の山ガールに勝手にお裾分けする事だけは忘れていなかった(笑
まあ、広がりは一切無かったのが残念で・・・。


夕食後、泥酔する前にテントに戻り一日の終わりを楽しむ一時。
少しづつシルエットになり、黒く威圧的に魅せてくれるジャンダルム。
明日、ようやく憲兵を越える許可証を手にできたと思うと僅かながらも感動を覚える。



秋分の日の連休。小屋もテン場も満員御礼な穂高の初秋。
涸沢カールが燃えるような紅葉の晩秋はすぐそこまで来ている。
さあ、氷点下を楽しむ初冬の季節が今年も楽しみ。


さてさて、チンドン三銃士のジャンダルム縦走は珍道中なのだろうか・・・(笑

2 件のコメント:

  1. 同じ、白出沢行きましたか!
    写真拝見すると、梅雨明け登ったあの時を鮮明に思い出します:-)
    テン泊で酔いつぶれるの真似したいです:-)
    穂高岳山荘まで辿り着いて、槍を望まないって
    あえてですか?ツウですねー(笑)
    お天気良く何よりです。次の日のレポ楽しみです(^o^)/~~~

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  2. nikkor14dさん

    そうですよ♪
    同じ白出沢ですがタイムが違いすぎます(汗

    是非、いっぺん山頂で一緒に酔い潰れてみませんか(笑

    槍は何度もあちこちの稜線から見ているもので・・・
    ついつい酒側で考えてしまいます♪

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