2017/05/25

The Ninth Heaven / Latter half


20170503wed - 06sat 穂高の稜線に佇む連休・後編

どこのテン場だって登山者は紳士淑女ばかりだとは限らない。
夜は酒が入り非日常の感覚も手伝って高揚感が持続しても不思議ではない。
仲間と楽しむ宴は街だって山だってテンションが上がるのも理解できる。

僕だって仲間との山より宴は大好きだが、テン場では時刻をかなり慎重に考えている。
だがデッドラインなど気にせず馬鹿騒ぎを続ける輩は残念だが今も昔も時々見かける。
4日(木)の夜も数名のパーティーが標高2300mの非日常な夜をスポイルしてくれた。

僕が重い腰を上げて浜ちゃんに変身して関西弁で怒鳴りつける前に紳士が動いてくれた。
「騒いでいるのはあなた達だけですよ! みんな朝が早いのですよ! 静かにしてもらえますか!」
確かこんな内容だったと思う。大声だったがとても冷静に諭すように注意していた。

とても丁寧で綺麗な標準語に聞こえた。辺りは水を打ったように静まり返った。
小屋のスタッフなのか登山者なのか不明だったが素晴らしい対応だと感じた。
僕はHeroに感謝しながらシュラフに潜り込んでジンビームで一人酒だ♫

でも、やはり、今宵もローラは現れなかった・・・
まあ、しかし、現れたら現れたで、やかましいかもしれない・・・テヘッ♫





テン場の朝が騒がしいのは当たり前。そこは何も文句を言うつもりは毛頭ない。
5日(金)の朝も午前3時には動きだす登山者も少なくない。
まあ、僕達には関係ない行動なのだが・・・(笑


シュラフから見上げるテントの明度がどんどん明るくなってゆく。
半覚醒状態で時刻を確認しながら微睡む至福の時間♫


午前5時。意を決してシュラフから這い出す朝(大袈裟!
涸沢ヒュッテのトイレ渋滞も酷くはなく10分ほどで順番が回ってきた。


大いにスッキリしてテントへ戻る道中、ボケーとしながら歩いていると、
前から歩いてきた赤いジャケットの男性が「クラウドナインさん?」と声をかけてくださった。
改めて視線を合わせてビックリ!!! 僕も「あー!ご無沙汰ですー!!!」
なんと、そこにはヨーリーズさんが立っているではないか!
しっかり洗った右手でシェイクハンドですよ(笑


もちろん相方さんもご一緒で、お仲間と4人パーティーで来られていた♫
昨日、奥穂に登頂して今日は下山されるという。
昨日、バッタリ!出来ていればテン場で山より宴を一献できたのに残念です(泣
ってか、山より宴ステッカーもプレゼントできず、メアド交換もできず・・・
いっぺんジョインしましょう! 伝書鳩でも飛ばしてください!!!(笑


僕がビッグフェイスなのは周知の事実だが・・・
ヘルメット・・・どんだけ小さく感じるねん!!!(笑


かなり遅いスタートなのは承知しているが・・・
午前6時15分。ヨーリーズさん達のテントに立ち寄って挨拶交わして出発♫


朝一から壁のように感じるゲキ登りのザイテングラートを直登。


途中からはルートを左にとってトラバースしながら小豆沢をハイクアップする。
辺りはプチデブリのオンパレード!見事に雪面がボコボコなのですよ!


なるべくデブリの流芯を登らないように小豆沢の端を歩くように心掛ける。
そして視線も頻繁に上部ロックオンを心掛ける。雪崩、恐いしね・・・
雪崩と共に人が流れて来る危険性もあるしね!(汗


20mロープとガチャ類はアタックザックに詰め込んでいる。
それでも空身に近いザックウェイトは楽だわ〜♫


ゲキ登りの直登ルートを滝汗で登る。
デカザックの時は僕が遅れがちになって、空身の時はkumiちょが遅れがちになる。
おかしなバランスだね(笑


ゼー!ゼー!のハー!ハー!でかなり登って来た。
涸沢ヒュッテのテント群は点の集合体にしか見えない。


なかなか近づいてこなかった穂高の稜線もようやく手の届くところまで来てくれた。
しかし、空がどんどん鈍色に変わってゆく・・・

降りて来た登山者の話を聞いても「頂上は視界ゼロ!」と悲しい返答。


午前8時20分ようやく穂高の稜線に辿り着いた。
直登のゲキ登りを2時間と少し。まずは小屋で休息せねば♫
パトロール中の長野県警さん、お疲れさまです!


白出のコルから奥穂高岳のピーク(3190m)は手前の岩に隠れて見えない。
多くの登山者が登り、そして降りて来る。
視界不良でピークハントをあきらめて下山する登山者もいる。


コルの北側は涸沢岳に続く稜線がガスの中へ消えてゆく・・・
小屋明けしたばかりの穂高岳山荘はまだ雪の下だ。


3000mの稜線を吹き抜ける風はテン場のそれとは違う。
厳しく冷たい凍えるような風が体温を奪ってゆく。


アイゼンを外して穂高岳山荘に転がり込む。
ストーブで暖をとるがアウタージャケットは脱げない。
身体が冷えきってしまったようだ・・・
熱いうどんでも食いたいが時間的にまだ販売されていない。
体温が下がるとモチベーションまで急降下だよ(泣


kumiちょは熱々のお汁粉で暖まっている。
暖まるからとkumiちょにお汁粉を勧められるが・・・
酒飲みは甘ったるいものが食えねーんだよ(笑


モチベーションの下がった心理状態のまま小屋を出る。

奥穂側の斜面にはクライムダウンで降りて来る複数の登山者。
それを発見したkumiちょに、ビビリが入る(笑
足下が見辛いクライムダウンが大の苦手なkumiちょ。
僕が「どないする?」と訪ねる。
kumiちょは少し間を置いて「いけるかなぁ」とつぶやく。

ロープは持って来ている。アンザイレンすればいいのだ。
だが、モチベーションの下がった僕と不安がいっぱいのkumiちょ。
天候だって頂上は視界不良だろ? 踵を返す材料は揃った(笑

僕は「ほな、降りよかー!」と決定事項を伝える。
kumiちょは後ろ髪を引かれているようだが渋々降り始める。


乳泊のベールに包まれた眺望の無いピークに興味は無い。
最近はピークハントする達成感にすら魅力を感じなくなって来ている。
枯れてきたか・・・俺・・・


だが、下り始めて半時間。
振り返った天空は鈍色から紺碧へと変わっているじゃないか!!

ドピーカンで360°パノラマの北アルプスが奥穂の頂には広がっているだろう。
後悔の念は・・・泣きそうなくらいあったよ。 でも内緒にしておく・・・


そんな気持ちを吹っ切るように、小豆沢を走るようにズンズン下る。
もちろんリスク回避だ。頻繁に後方を確認しながら駆け下りる。
雪は腐ってズボズボと深く入り歩き難い。


少しはアルパインチックな写真があってもいいよね(笑
表紙の画像はバキバキにHDRで仕上げてみました♫


西側から南の空にかけては一点の濁りも無い紺碧が広がった。
さあ、とっとと降りて涸沢ヒュッテのバルコニーでビアを楽しもう♫


昨日はあれほどガンガン雪崩れていた斜面も今日は静かだ。
雪崩に遭遇しなかったのだから善かれと思わねば・・・


今日も前穂高方面では県警のヘリがホバリングしている。
後でレスキュー隊員から教えてもらったのだが、
リードが支点から15m登って滑落したらしい。
なので30mほど滑落してロープに宙ぶらりんになったそうだ。
セカンドはセルフレスキューできたのだろうか・・・


涸沢ヒュッテのおでんは・・・まあまあ食えたが・・・
次回は・・・無いな(笑


冷えたコイツだけは何処で飲んでも裏切らない♫
まだ昼には早い。至福の時間を楽しもうじゃないか♫


ボーダーとスキーヤーがバックカントリーだ。
直登とジグザグ! この後のシュプールも美しかったよ♫


太陽がいっぱいでね。
まるでスイス・マッターホルンのヘルンリ小屋のバルコニーで寛いでいる気分だよ♫
行ったことないけど・・・(笑


この日に下山した人も多いようだ。
テントの数もぐっと少なくなった。
今夜は静かな月夜を楽しめるだろう。


明日、6日(土)は午後から天気が崩れる予報が出ている。
午前中に上高地まで下山できれば問題ないだろうと考えていた。

ランチ食って標高2300mのシェスタを満喫すれば夕方だ。
鶏肉をアテにしながら再び至福のビアタイムだ♫


この日も飯盒を完璧に炊いて「サンマ丼」を美味しくいただきました。
サンマはお湯で温めるだけなのでチョー簡単♫


今宵はテントの数も半分近くまで減っている。
昨夜と違ってテン場に流れる空気もユルく感じる。
それは明日、頂を目指す登山者は少ないから感じる雰囲気だと思う。
いわゆる稜線を目指す情熱とか気合いとか殺気的なオーラを放つ人物が少ないということだ。


今朝も午前5時にシュラフから這い出す。
涸沢はモルゲンロートで赤く染まっていた。
朝飯は柚子胡椒チキンチャーハン♫


下山するだけなので、ゆったりまったり準備をしているとテントを叩く雨音。
天候が崩れるのは午後からだと思っていたので気持ちは焦る!
小雨とは言い難い状況になってくる。急いで雨に濡れたテントを撤収する。
レインジャケットを着てザックカバーを装着して雨の中を下山する。
一眼レフをザックに収納してこれ以降の写真は無い。


涸沢からダッシュで下山して上高地には午前11時前に到着。
午前11時のバスに乗ってアカンダナ駐車場へ移動する。
神の湯は現在営業休止中なので、ひらゆの森で汗を流して帰路に着いた。
大阪まで不思議なくらい渋滞もなく明るいうちに帰宅できたのはラッキーだった。


♥腎臓結石のその後♥

腎臓結石の症状が出始めてから何度も病院に通い、
レントゲン、エコー検査、CT画像検査、尿路造影画像検査と、
一通り検査を済ませた結果、手術の種類が決まった。

結石は軽く10mmを越えておりレーザー破砕手術よりも
内視鏡手術(経尿道的尿管砕石術)の方が適切だという判断がくだされた。

現在、結石のある左の腎臓はかなり腫れているようだ。
左腎臓は殆ど仕事をしておらず、右腎臓がフル稼働で馬車馬状態らしい(笑

5月30日(火)に入院して31日(水)に手術となった。
麻酔科のドクターの説明によると腰椎麻酔で済むそうだ。
効かなければ最悪、全身麻酔で人工呼吸器の挿管もありえるそうな。

それよりなにより、尿路をカメラとか破砕器具とかが
ぐいぐい入って行くと想像しただけで失神しそうだよ(泣

何事も無ければ一週間以内に退院できるそうな・・・
あれこれ憂鬱な一週間になりそうだよ・・・
手術&入院的なブログでも執筆する?(笑

4 件のコメント:

  1. katsuさん、今晩は!

    同じ日に同じ場所にいただけに、レポートには共感です。
    5日は、下山途中に奥穂山頂のバックは紺碧に変わりうらめしや・・・
    6日は、降り出すのが早かったですよね~(^^;

    ところで僕は23歳のとき、お腹が激痛に見舞われ、のたうち回りました。
    尿管結石でした。
    水分を大量に摂取するように言われたので、ビールを大量に摂取したら便器にカキンと琥珀色の石が当たった・・・

    それから27年経ったある夜、トイレに行くと・・・
    なんと便器が真っ赤になるくらいの大量の血尿!
    これは膀胱がんだ、終わった~と思った。
    翌日病院に行くと、若いナースに大事なところにチューブカメラを突っ込まれるは、デカい男の医者にご太い指を後に突っ込まれるは、あれこれ身体中をいじくられまくった結果・・・
    以上なし。おそらく尿管結石ができて尿管を傷つけてしまったのでしょう、とのこと。
    まあ、良かった。

    今のところ大丈夫なようですが、僕も予備軍かもしれないですね。
    それにしても、尿管結石の痛みってもの凄い!ショック死寸前でした・・・
    尿路にカメラとか想像しただけで辛い、katsuさん頑張って!
     

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  2. えれぇこった2号2017/05/26 9:19:00

    テン場で盛り上がるのはわかるけど、皆んなが寝る時間になっても
    大きな声で武勇伝を語ったり、職場のグチ言ったりする方いますよね!!
    かっちゃんの前の紳士なヒーローさんに拍手��

    奥穂は視界が悪く残念でしたね。
    また夏にでも。。。。

    手術頑張ってね。。。かなり痛そうだけど^_^;

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  3. mont-dendenさん

    ほとんど同じスケジュールで動いていたのですよね〜
    次回、見かけたときは、「かっちゃん毎度!」と声をかけてくださいね(笑
    テン場で一献(山より宴)いたしましょう!

    僕も20代の半ばに人生初の尿管結石を体験しています。
    死ぬかと思うくらいのたうち回りましたよ!(泣
    二回目が4年前で三回目が今回です。
    残念ながら破砕手術で済むレベルではないのが悲しいですが・・・
    でも血尿ってホント真っ赤ですよね〜(笑

    mont-dendenさんも気になるのなら泌尿器科のある大きな病院で
    CT画像検査をしてもらえば一発で分かりますよ!
    結石が小さければレーザー破砕で済みますからね。
    石仲間として早期診断が良いかと思います(笑

    mont-dendenさんのブルグをリンクさせていただきました。
    またブログに寄らせてもらいますね〜♫

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  4. kakaちゃん

    ホント、紳士的に注意できる大人って素敵だよね〜
    僕とかtotoちゃんやったら、すぐに下品な関西弁で吠えちゃうもんね!(笑
    その辺りはもう少し精進せねばと考えてます(汗

    奥穂はまたどこかで行けるでしょ♫

    手術!頑張って来るね(号泣・・・

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