20131208 SUN 雪華の鉄山バリルート
大峰フリークを自称するなら当然踏んでいなければいけない鉄山。
残念ながら僕の大峰の中では未踏だった鉄山〜弥山バリルート。
大峰だって吉野〜熊野縦走したからってそれが全てではない。
関西人山屋の心の故郷には、いぶし銀のシブいバリルートが数多ある。
昭文社の山と高原地図において破線どころか、ノーラインな魅惑的ルート。
約10年。心の片隅にいつもありながらも数度のチャンスを逸していた鉄山。
こだわりとして鉄山バリルートは大峰の美しい雪の季節に歩いてみたいと思っていた。
そして大峰も根雪の季節になりようやく魅惑のルートを歩く機会に恵まれた。
kumiちょのスキルアップのためにも積極的にルートファインディングしてもらおう♪
で、最近、起床遭難の多い我家は前夜からの車中泊とした。
我家と言えば語弊がありkumiちょに胸ぐら掴まれそうなので訂正しておこう。
で、最近、起床遭難の多い老犬1号は前夜からの車中泊を懇願した。と・・・
前夜は天の川温泉の営業時間に間に合うように自宅を出発。
温泉で温まって定食屋で晩飯食って車中でドンチャンして就寝♪
翌朝は案の定プチ起床遭難しながらも辛うじて午前7時過ぎには入山開始。
この日の鉄山入山は幸か不幸か僕達だけのようだった。
トンネル西口へ向かう車は数台見かけたが鉄山登山口に駐車する車は無し。
「これより先 社有林に付き 立入禁止 株式会社 前川」と看板がある。
はい、すいません。自己責任で入山させていただきます(汗
で、いきなりの激登りが登場する。
立っ端の無いkumiちょはメニメニ四つん這い(笑
歩くと言うより草付きや木の根を持って攀じるパートの多い事(汗
我家は基本トラロープ信用しない派なのでkumiちょも必死のパッチ(笑
尾根の向こうからようやく朝日のお出まし♪
この時間帯はまだ風も強かった。
最近のヤマレコにもあった靴下履いた木の根っ子発見!と思ったのだが・・・
靴下ではなくゴルフクラブのカバーだったのね(笑
そんな会話どころではない急登が延々と続く破線ルート。
kumiちょに至っては夏以来のまともな登山なのでペースが上がらない。
それでも持ち前の根性でハイクアップを続ける頑張り屋さん(笑
今冬初の雪山は楽しいのだが、空には雲が掛かり寒々しい景色が広がりはじめた。
鉄山手前の展望地では想定外のモノクロームの世界が広がっていた。
南側の稜線はフォグ!フォグ!フォグ!
まさかのホワイトアウトによる撤退も想定して何度も振返り辺りの地形を確認する。
尾根の傾斜や木々のポイント等を努めて把握できるように凝視する。
鎖場が登場すれば鉄山ピークも近い。
kumiちょのまったりペースとはいえ大川口から2時間ほどのハイクアップタイムとなった。
鉄山ピークに到着したとたんに青空が広がっていった。
さっきまでの鈍色は消え樹氷の向こうの紺碧が美しい。
鉄山ピークからは大普賢や山上ヶ岳から稲村ヶ岳などのメジャーピークが目白押し。
大川口から鉄山までは破線ルートとはいえ、それなりの踏み跡がしっかり確認できる。
さてここから、地図上はノーラインなバリルート。
とは言え大峰ではメジャーなバリルートなので無雪期なら踏み跡に助けられるだろう。
だからここは積雪期に来たかった。
地図にコンパス乗っけて山座同定。快晴に助けられる。
進むべき方向は容易く判断出来る。
ホワイト&ブルーな世界が広がる中、僕達は嬉々として前進する。
なるべくkumiちょに先頭を歩いてもらう。
地図を読む。コンパスを使う。赤テープの目印を探す。
山で必要なスキルが少しでもアップできるように楽しもう。
不明瞭だが雪の上にトレースが時々確認出来る。
前日に入山した人がいたのかもしれない。
風の通らない樹林帯では明瞭なトレースも確認出来た。
昨夜も降雪はあったようだ。
風のぬけるパートでは勿論ノートレース。
大きな赤い目印があれば安堵するkumiちょ。
あれこれ考えながら進んでくれれば嬉しい。
快晴の日。森林限界の稜線ではルーファイも容易い。
容易くないのが積雪期のノートレースな樹林帯。
香精山から修覆山までは南西の尾根を目印に進む。
迷ヶ岳方面に続く枝尾根のバリルートもある。
快晴だと太陽の位置からも方向を判断し易い。
鉄山から標高差300mの修覆山1846mまで無難にルーファイをこなすkumiちょ。
エビの尻尾がそこかしこ。大峰モンスターも登場する。
紺碧と白銀の世界に何度も感嘆の言葉を繰り返す二人。
「来て良かったね〜♪」 至福の山時間が流れる。
ゲキ登りは無くなったが凍結個所も出て来たのでアイゼンを装着する。
これでまたkumiちょのペースがダウンする(笑
急ぐ必要はない。今日はルーファイのトレーニング。
それに、何よりも久しぶりに雪山を堪能する日なのだから♪
そんなこんなで大川口の入山から4時間で修覆山ピークに到着。
さて、ここからが本日の核心部といってもいいだろう。
南西にとっていた進路をガラリと南東に変える。
大峰名物トウヒの倒木帯を進まなければいけない。
真白なトウヒのジャングルジムをルーファイする。
風の抜ける倒木地帯ではほとんどトレースは発見できない。
進むべき方向が把握できている事の安心材料は何物にも代え難い。
ここでホワイトアウトしたらリングワンデリングの恐怖が忍び寄る。
二人して何度か立ち止まる。コンパスで確認する。
遠くの赤テープを見つけようと努力する。
二人で「あっちや!あっち!」「こっちや!こっち!」と右往左往する(笑
午前中という時間帯と快晴という条件が余裕を与えてくれるのだろう。
久しぶりに味わうワクワクやドキドキが楽しい登山になった(笑
だって快晴無風の空間に誰も居ないんだ。二人きりのホワイト&ブルーな大峰。
赤テープの目印もエビの尻尾の餌食になっている。
この状態は直近にならないと目視できない。
個人的な感想だが無雪期の半分も目印は発見できないと思う。
快晴での感想なので、これが降雪時なら? 濃霧時なら?
極めて難しい登山になるのだろう。
それでもこの日はドピーカンなので「まっ、いーかー」と、脳天気に進む二人。
だが弥山手前で一瞬ガスが広がり始めた。
ここでホワイトアウトになるのは勘弁してほしい。
霧は濃くなる事も無く薄れてゆき青空がすぐに戻ってきた。
南側の樹林帯の向こうに弥山小屋の屋根を目視でき安堵した。
この装置を発見すれば弥山は目と鼻の先。
すぐに鹿除けネットが登場する。
このネット沿いに西へ数分歩けば弥山小屋の裏手に出る。
小屋が登場すれば本日のバリルートはコンプリート。
kumiちょと二人ハイタッチで祝った(笑
弥山有人小屋はこの時期、冬期閉鎖中。トイレも閉鎖中。
だが冬期避難小屋のみオープンされていた。
十数名の入山者達で賑わっていた小屋のベンチ。
大川口を7時に出発して12時に弥山に到着。 行動時間ジャスト5時間。
雪の樹林帯をルーファイしながら、アイゼン装着もあった。
入山久しぶりのkumiちょペースとはいえちょいとタイムオーバーのような・・・
なので、この日は料理にはこだわらず。
僕達もサクサクとランチを食べて12時半に弥山小屋を出発。
聖宝理源大師、お久しぶりです。
あなたの首まで雪に埋まる頃にまた来ますね。
午後の日差しが心地良い弁天ノ森を歩く。
適度なアップダウンがいつ歩いても楽しい大峰奥駈道。
風もなく温かな大峰の午後を満喫する。
奥駈道出合からはゲキ下りを半時間ほどでトンネル西口。
弥山からジャスト2時間で下山。午後2時半に登山はフィニッシュ♪
しかし大川口まで国道的なアスファルト道を一時間ほど歩かなければいけない。
車に到着が3時半頃かなぁと会話しながら歩いていると、
トンネル西口からきた登山者の車が止まってくれた。
「よかったら乗っていきますか?」と、ロマンスグレイの紳士。
感謝感激雨霰♪♪♪ 「助かりました。ありがとうございました」
数多ある大峰のバリルート。歩いてみたいコースは幾らでもある。
まだ知らない大峰のルートに想いを馳せる。また帰ってこよう。
■業務連絡■
今年の年末も山より宴真理教の忘年会を赤岳鉱泉で行います。
今回は諸般の都合により12/30〜12/31の一泊二日です。
30日は鉱泉二階の個室は予約できず一階or半地下の個室になります。
全国各地より集まった総勢10名弱でドンチャンします。
来る者拒まず去る者追わずが信条です。
誰かとバッタリジョインできたら嬉しいなぁ♪
素晴らしいっ!
返信削除モノクロームの出だしから、一気にブライトスノー
>「来て良かったね〜♪」 至福の山時間が流れる
ちょっと不安な倒木地帯も、それはそれで。
起床遭難せず、早立ち出来たからこそ楽しめた時間ですね
オンシーズンだと弥山小屋の発電機の音がコンパスを
サポートしてくれるのですが。
いいヤマで〆ましたね
この鉄山・弥山ルート気になってますが、ルーファイ怪しそうなのと、倒木厳しそうなので敬遠してます^_^;夏場はにょろりでそうだし。で、この時期のチョイスは絶妙ですねーw。ガスが出たらっていう不安と緊張感の中、お初ルートのコンプリート流石ッス(^O^)
返信削除この時期の鉄山~弥山ルートは、ちょっと緊張が強いられますね。
返信削除エビの尻尾に隠された赤テープ、倒木の上に積もった雪で踏み抜いてしまうことも度々・・・
それでも、この青空と真っ白に化粧した倒木群を見ていると、
「あぁ~ この時期にも登ってみたい・・」て思います。
今、東京に出張中~
今週末は奥多摩の山を巡ろうかと・・・・
スロトレさん
返信削除いやほんまに、ええ山でしたわ♪
まあ山と言うかルートと言うか季節と言うか天候と言うか(笑
多様なファクターがファインな状況をプレゼントしてくれました♪
起床遭難・・・年齢的にもそろそろ卒業したいのですが(笑
nikkor14dさん
返信削除トレランするにはやや不向きなルートかもしれませんが楽しい山でした。
nikkor14dさんもチャンス見つけてコンパス片手にいっぺんチャレンジしてくださいな♪
確かにガスったら怖そうなルートですが(汗
tekapoさん
返信削除美しいはずのエビの尻尾が邪魔で邪魔で〜(笑
赤テープ見つけるのんが必死のパッチでしたわ(汗
ホワイト&ブルーな大峰はサイコーですね♪
北陸出張の次は東京ですか!
ひょっとしてまた長期滞在でつか?