2011/09/05

Wandering Hakuba / latter part


20110813sat〜15mon 白馬三山縦走・ 後編

稜線の朝は静かな黎明。微笑む風が優しく撫でる。
眼下の雲海は地平線まで続き下界の喧噪は絵空事。
東の空に色が滲み白馬の早起き鳥は天気を告げる。

今日はどこまで歩こうか。お天道様のご機嫌次第。
明日はどこまで歩こうか。風伯龍神のご機嫌次第。
澄み渡る紺碧の空、心を解き放つ夏山の稜線漫歩。

さてさて、午後からの天候が気になる予報が不安。
不帰嶮から唐松まで歩くもよし鑓温泉もまたよし。
オルタナティブな選択肢は、常にあることが道理。


夏休みの北アルプス。夜明け前からカモシカ登山は動き出す。
夜更かしで星座の撮影を楽しむカメラマンも少なくはない。
テン場では静寂が辺りを包む時間帯は意外と短いのが常。


テン場の南側にある丸山を夏の朝日が差し込む頃には皆が動き出す。
雲海の向こうに青黒く浮かぶ山脈が標高の高さを教えてくれる。
今朝は手抜きの朝ご飯。ド定番のマジックパスタとハーブチキン。



旭岳の南側に刻まれているトラバース道を歩く登山者もいる。
清水尾根から祖母谷温泉へと下山するのだろうか。
不帰岳からの百貫ノ大下りは優しくはないロングルート。


さて、僕たちの旅は南へ向う。稜線の縦走路を太陽に向って歩く。
特異な山容に見える杓子岳の向こうには鑓ケ岳が鎮座している風景が素敵。
丸山から扚子岳との鞍部へ下りながら今日のルートを考える。


振り返れば離山の横に白馬のテン場が見える。
その向こうに白馬頂上宿舎。
白馬岳の手前には大きな要塞(白馬山荘)が横たわっている。


鹿島槍〜五竜から遠くは本家、槍まで北アルプスの稜線は続く。
果てしなく続く稜線を歩いてみたい。日本海から太平洋は無理だけど(笑
一人TJARもどきをやってみたい。できれば白馬から穂高まで(汗


スピードを楽しむための僕の持ち時間は少なくなってきている。
山を楽しむ考え方を変える時にきているのかもしれない。
後ろ髪は多いに引かれている・・・まだ無理かなぁ(笑


白馬大雪渓を登山者達が登ってくる。アリの行列のように雪渓を登ってくる。
涼しげな残雪の上を登ってくるのは樹林帯にはない心地よさ♪


杓子岳手前のカールには緑の絨毯が敷き詰められた夏景色。


午後の天候が不安であるため南へ進まず、東へ曲がる決断を下す。
単独行ではないがためのセレクトも想定の範囲。
距離や高さ、時間へのこだわりは胸に仕舞って物見遊山を楽しもう。





杓子岳の稜線に多くの登山者が米粒のように見える。
唐松をあきらめて、鑓温泉に下るのであればトラバースはしないで、
ピークハントしながら、まったり歩こう。






ここの九十九折りに心が折られる(汗
衣食住を背負ったデカザックが脆弱な心肺機能に襲いかかる(笑
こんな時だけはULハイカーに変身したいよ・・・。


平野の向こう。遠くには見えるは日本海。
夜には富山湾の漁火も見えるのだろう。
いいなぁ。朝も夜も山から見る海はどこから見ても素敵な時間♪


突き抜ける紺碧の下、杓子ゲット〜な一時。
湿度の低い空気が下界では考えられない心地よさを与えてくれる。
まとわり付くものの無い爽やかさが、登って良かった感満載でつ(笑




爽やかすぎるブルー、ホワイト、グリーンのクロスが広告に使えそう(笑


鑓ケ岳手前の鞍部の向こうには、九十九折りの登りが待っています。
当然、下ったら登る。はい尾根の常識です(笑
えぇ、笑顔で上を睨みつけながらハイクアップしよう(汗




振り返れば、杓子岳、白馬岳、旭岳と連なる山が素敵な稜線を描いています。
絵に描いたような森林限界ならではのクッキリ見えるトラバース道も素敵な描写。



クマゼミのようなミンミンゼミのようなセミは帝王蝉??
セミ界では最も音痴な鳴き声を大音量で聞かせてくれる。
しかも岩陰からいきなりのフルボリュームは休息中のハイカーもビックリ!


鑓ケ岳山頂まであと僅か。緩やかに登る稜線をまったり歩こう。
わき上がる雲は夏山の象徴。午後の天候が気になり出す頃。



唐松岳、鹿島槍へと南下する縦走路が果てしなく続く素敵な稜線。
分岐の向こう、雲の隙間に天狗山荘もチラリと見えた。


本日の最高到達点は2903m。 さあ、あとはゆったり下るだけ。
今回最後の大展望をガッツリ堪能すれば心置きなく分岐を東へ下りましょう。



典型的な夏山の天候が続いたここ数日。
午前中は素晴らしい快晴であっても、午後からはガス、ガス、ガス。


分岐から2時間近く下れば雪渓の向こうに鑓温泉小屋を発見♪
上からでも下からでも交通手段は徒歩オンリーな温泉は素敵。
北アルプスや八ヶ岳等に数カ所ある雲上の秘湯は登山者の特権でもある。


鑓温泉露天風呂から最短の場所に今宵の我家を設営。
ここのテン場も傾斜地なのが、とっても好みのロケーション♪


我慢出来ずに入湯前にプシュっ開けてグビッと幸せ(笑
タオル片手に標高2100mに突如現れる舞台的な雲上の混浴露天風呂へゴー♪


入浴後、夕食の準備中ふと振り返ると混浴露天風呂に女性を発見(写真は無し)
ちなみに鑓温泉の露天風呂は日中は混浴であるが、日没後の夜間は女性専用になる。
しかし、それでは女性は陽のあるうちに絶景を楽しみながらの入湯が 難しい。
だからと言ってどこからも見晴らしの良すぎる露天風呂に
明るいうちにチャレンジする男前な女性は少ないだろう。

僕が発見した女性の選択肢はビキニの水着であった(しかもヒョウ柄!)
日本の温泉に水着で入湯するのはいかがなものかと思うが、
それより、全裸の男性陣が困惑したのではなかろうか?(笑



硫黄炭酸泉の効能は、神経痛、冷え性、疲労回復、皮膚病、糖尿病などに
効果が高いらしい・・・(笑
あと銀製品(指輪やネックレス)は真黒になるからご用心ご用心。
ちなみに僕のマリアはガングロマリアになっていた(汗


縦走中に温泉に入れるルートは決して多くはない。
ただ、あればそれは素晴らしい癒しの場所なのは間違いない。
今回も、当初はこのルート設定ではなかった。
ただ、優柔不断に動きながら柔軟に対応した結果なのだ(笑・・・←いいのか?




温泉に浸かり酒を呑んだら、次は美味い野菜と肉とスープと飯盒でしょ♪
で、ラストはローソクは無いけど現地制作の手作りバースデイケーキでフィニッシュ。


三日目・最終日


最終日の朝飯は胃にも優しい朝粥で、ゆっくりと身体を目覚めさせます。
三時間ほど下れば猿倉山荘に到着してしまうルートは、ゆるりと出発。
朝プシュッ!も当然アリなユルい最終日の朝が好きだなぁ〜♪


水温オーバー40°の沢って素敵だなぁ♪ もちろん温泉は年中湧いてる。
ただ、厳冬期は雪崩の巣&通り道なので、やはり夏限定の温泉。


数回、雪渓をトラバースしながら高度を下げる。
数カ所ある水場は雪解けのキンキンに冷えた水が喉を潤してくれる。



猿倉まであと僅か、振り返れば雪渓を纏った夏の北アルプスの稜線。
これまでに何度も何度も登った北アルプス。
これからも何度も何度も登れることを願いながらの下山道。


猿倉山荘に駆け込むように入り有無を言わさず鷲掴みにした命の水!!(笑

次のバスまで一時間近く待てねばならない事が判明。
いらちで人見知りゼロな関西人は早速関東の二人組を誘ってタクシーに乗って
八方インフォメーションセンターまで下山しましたとさ♪

タクシーも四人で乗ればバスより安い〜!


下山後のお楽しみはもちろん温泉。
お勧めは「倉下の湯」
露天風呂からは北アルプスが一望できるロケーションが素敵。
塩分の多い赤褐色の泉質・湯色も個人的には好みの湯。



下山後に入浴したら、お次ぎは食欲でしょ♪
お勧めは「おひょっくり」
メインの椀ものは、ほうとうや、すいとんに近いイメージ。
地産の野菜や鶏肉・豚肉が信州味噌とコラボしている鍋料理だから
嫌いな人は少ないだろう。日本の万人が好む田舎料理は美味い。



ゆったり、まったり楽しめた夏休み。
また来年も爽やかな稜線に会えますように♪

8 件のコメント:

  1. お誕生日おめでとうございました!
    素晴らしき天気ですね~
    やっぱりえれえこった兄貴が居なかったからでしょうか(笑
    写真が素晴らしいです!

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  2. TJAR?存じませんが、ランだかレースだかでしょか?
    楽しく、じっくり、歩いて、リフレッシュヽ(・∀・)ノ
    の時には連れてってください♪
    次回は、不帰嶮行きたいです。

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  3. 遅まきながら、お誕生日おめでとう♪
    ってか、katsuさんったら、突然閉店したかと思ったら
    こんな所でひっそりと営業再開されてたのですね~
    行きつけの隠れ家的スポットが無くなったカンジが
    寂しかったので、めっちゃ嬉しいです
    しかも、相も変わらずまったりなお店でw( ̄ー ̄)
    素晴らしい青空、最高なバースディでしたね、去年の
    えれぇこったなヤツのおかげで(笑)散々な穂高を
    思いだして笑ってしまいました、彼はどうしてるのかなぁ。

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  4. かつおさん

    ありがとうございます。

    えれえこったは引退状態です(笑

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  5. kumini

    次回は北アルプスキレット行脚にします(汗

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  6. スロトレさん

    ありがとうございます。

    まったり系な山の隠れ家へようこそ〜♪

    ヤツの山ブログ復帰は困難かも〜(笑

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  7. 白馬鑓温泉の入浴シーンつい懐かしくて訪問です。
    私たち夫婦も9月上旬に逆コースで白馬三山を縦走しました。
    写真の撮り方素晴らしいです。
    感動ものです。
    時々訪問させていただきます。

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  8. たそがれ清兵衛 さん

    コメントありがとうございます。
    はじめまして!♪

    白馬はどこから登っても素敵な山ですもんね♪
    僕もこれから時々訪問させてもらいますね〜。
    写真お褒め頂き恐縮です(汗

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