In the middle of a dream

20120922sat〜23sun　太郎平で昼寝をする午後

出張が多く久しく連休がとれなかった近頃。
月曜日に休日をゲットして三連休を確保した9/22〜9/24。
真っ先に脳裏を過ったのが夏休みに行けなかった高天原温泉。

けんちゃんも単独で北ア入山を計画していたのでジョインする。
但しkumi長は月曜日に休みは取れず一泊二日の入山になる。
kumi長は憧れの単独北ア稜線漫歩を二日目にチャレンジする計画。

初日は三人で折立から太郎平までの、まったり登山。テン泊で山より宴♪
二日目はけんちゃんと雲ノ平を経由して高天原温泉。三日目は折立へ下山。
kumi長は二日目に単独で薬師岳へピストンして単独で折立へ下山。

しかし予定は未定・・・自然や天候に勝てないのは承知の上。
土佐のアミーゴの言葉を思い出した二日目の朝。「思い残すより思い切る！」
三度目の正直として「来夏の楽しみが増えた」と積極思考を憶えた入山。

前夜、有峰林道ゲート近くの駐車場で僅かな仮眠をとる。
ここの林道は20時から6時まで通行できないのが不便だ。
まあ北アルプスの主要道路はどこも制限が多いから仕方ない。

残念ながらこの日は何故かまったく睡眠がとれなかった。
二日酔いもしくは徹夜で歩き出す登山道の苦しい事（汗
シャワーのような滝汗かきながらゼーハー登る樹林帯は日陰が唯一の救い（笑

体調ゲキ悪ながらなんとか登りきれば眼下に有峰湖が横たわっていた。
僕は、ほぼ虫の息で空ろな遠い目をしていたことだろう（笑

ヨレヨレで三角点を通過し三人で記念パシャリッ♪
けんちゃんとkumi長に介護されながらハイクアップする老犬であった（爆

五光岩あたりからは木道や石畳のトレイルが続く。
高山植物の保護が目的だから仕方が無いが歩き難い稜線漫歩だ（笑
ガレ場を歩くことを思えば何の問題もないのだが・・・。

遠くに見えていた太郎平小屋がようやくすぐ側に近づいて来た。
かなり前から心の中では「ビール♪ビール♪」のシュプレヒコールがシャウトしていた（笑

太郎平小屋に到着すれば本日終了のハイタッチ♪
北アルプスでは久しぶりのまったり登山だから心地良い♪

小屋の前のパーティーは昼間っから一升瓶片手に大盛況だった（笑
・・・羨ましいなんて微塵も思わなかったよ・・・（汗

辛うじて午前中に辿り着いた太郎平小屋でご褒美の乾杯♪
キンキンに冷えたビールが疲れを癒してくれる（笑

太郎平小屋のネパールカレーはかなり本格的なテイスト。
美味いカレー屋のそれがしっかりある。
「マジで美味しいね〜」なんて喋っていたら小屋からネパール人のコックが現れた（笑
道理で本気なネパールカレーな訳だ。ホント美味しいよ☆

呑んで食ったらテン場へ直行。
この日最大のお楽しみであるシェスタを満喫するため。
標高2300mで昼寝を堪能する贅沢な時間。

比較的静かなテン場の更にひっそりとした場所をセレクト。
テントを設営したら気温14℃の微風に目を細めながら睡魔と手をつなぐ午後。
小さな寝息をたてるkumi長の横で僕も深い淵に沈んでいった。

僕の登山人生において北アルプスの位置付けに昼寝は無かった。少なくとも最近までは。
ロングトレイルと岩稜帯を全力で楽しむ事。少しでも上へ。少しでも前へ。
数年前までは北アで昼寝など愚の骨頂だと考えていたかもしれない。

冒険を忘れようとは思わないが山を愉しむ事の振幅を広げたように感じる昨今。
ただ歳をくっただけだろって言われれば否定はしないが悲しい事だとも思わない。
たぶん死ぬまで見つけることのできない何かを探す事が楽しいのだと思う。

人生を達観したつもりはないし達観できるものでもないし達観するのは本意じゃないと考える。
見つけにくいものは最後まで見つからなくてもいいと思う。来生に課題を残そうじゃないか。
でも最後まで探し続ける行為は素敵だと思う。でも夢の中で踊る事も素敵だと感じる。

長月の雲が紺碧の下を柔らかに流れてゆく午後。はぐれ雲はなにを想うのだろう。
前頭葉が半覚醒状態の時に見るインスピレーションを思い出せれば素敵な刹那。
君とは前世でも踊ったから今生でも一緒なのだろうか。ならば来生でも探してみせる。
愛した全ての家族は前世からの輪廻。だから安心して。来生でも必ず会えるから。

さて覚醒して辺りを散策するが知った顔は見つからず新たな出逢いも見つからず。
盛夏のそれとは違うまったり感が漂う薬師岳側からみたテン場。

夕刻、kumi長の「お山でクッキングタイム」のスタート♪
オヤジ二人は缶ビール片手に可能な範囲でアシスト（笑

まずはオレンジ色の憎い奴（エバニュー・セラミックコッヘル）で鍋から調理。
2.8リットルの容量は三人分なら余裕で炊ける。
バーナーはSOTOのMUKAストーブだから炎の音も楽しめる一時。

今回のkumi長セレクトは「鍋キューブ鶏だし・うま塩」。
これ軽くてコンパクトでかなりいける。
勿論お味の方もkumi長のお墨付き。コクのある出汁が旨い。

たっぷり野菜に鶏団子を入れたら程なく鍋は完成♪

kumi長スペシャルサラダは切り干し大根、小松菜、貝柱、塩昆布に胡麻が入り絶品♪
レシピはマヨとkumi長秘伝スパイスでいただきます。

さて今宵もそろそろ「山より宴」が始まりますよ（笑

夕方、早い時間帯からプシュッと乾杯が始まる♪
テン場から太郎平小屋まで遠路遥々ビールを買いに行ってくれたけんちゃん♪
ありがとね〜。

仙台出張で買って来たお土産は仙台名物の牛タン。
ビールの肴にはもってこいだね♪

お次ぎはライスクッカーで飯盒を炊く。
MUKAストーブの超強力火力ですぐに沸騰し吹きこぼれそうにる。
そうなるとミニロースターを素早く間に挟む。

強い火力を優しい赤外線の熱に変える特殊耐熱鋼メッシュ。
ユニフレーム・ミニロースターで可能になったとろ火効果で安心飯盒。

横から見たらこんな感じ。安定感もありグラグラ感は全く無い。
ガソリンストーブは途中で圧力が低下してくると火力も下がる。
そこでシュコッ！シュコッ！と何十回もポンプのレバーをピストンしなければいけない。
そんな面倒くささがたまらなく男心をくすぐってくれる道具だ。

メインディナーは美山鹿の芯玉ステーキ！
スライスして赤ワインやkumi長秘伝レシピで下処理した400g程を担ぎ上げた。
癖のあるジビエも臭みは一切ない。コクのある赤身は柔らかくて美味い。

使い込んだテフロンは最近かなり剥がれ出し焦げが酷くなる。
アルミホイルで蒸し焼き風にすれば風味も変わり御飯がススムくんだ（笑

最近はマニアックな人妻達がフルサイズの一眼を担いで入山している。
そしてマニアックな人妻達はフルサイズの一眼より高価なレンズ地獄に堕ちてゆくのかな（笑

実は今回、仕事場から5Dを持ち出して星空撮影にチャレンジ！
などと一瞬考えたのだが、すぐに僕には無理だと判断した。
老犬一号や二号などの依存症な山やは日没後はすでにベロベロだ。
泥酔状態でまともにシャッターを切れる筈も無く、
ましてや星空への撮影意欲など微塵も残っていない思考回路だろう（笑

未明から降り出した秋雨。シングルウォールの幕をポツポツと叩く音。
午前三時。降り出したと同時に「雨やで・・・」と横でkumi長の小声。
「まさかやなぁ・・・」と小声で返事する僕。明るくなるのを待って判断しよう。
日曜までは北アの天気は保つと判断していたのだが・・・。

雨音を聞いた途端ダブルウォールのエスパースにすればよかったと少し後悔。
BDのファーストライトは自分でシームレス処理をしなければいけない。
もちろん購入初期にシルネットをシリンジでシームレス処理はしているが、
長年使い倒した経年劣化でシームレスの剥離部分がありジワリと雨漏りが始まる（汗
パックタオル系でウォールを拭き拭きするのに疲れた夜明け（笑

昨夜の鍋に少し手を加え二合近い飯で雑炊の完成♪
多様な食材からの出汁のハーモニーが良い味になっている。

三人朝礼で協議の結果。満場一致で撤退！に決定。
薬師岳を空身でピストンの案も出たがホワイトアウト寸前で楽しくないので却下。
「僕たちピークハンターじゃないもーん」と下山開始。

下山と決まればスタコラサッサと折立登山口まで二時間半で戻ってきた。
下山するまで稜線は真白で眺望は残念ながらまったく無し（泣
また来いよってことでしょ♪　えぇ何度でも来るからね♪

下山後は有峰林道ゲート近くの亀谷温泉・国民宿舎「白樺ハイツ」で汗を流す。
日帰り入浴600円也。僕たちが入浴した時の男風呂は5〜6人でガラガラだったが、
風呂上がりに入れ違いで老若男女40〜50名前後の団体さんの御来店。
三人で目を合わせて「タッチの差で良かったね〜・・・」と笑みがもれた（笑

海の幸が豊富な富山に来ているのだから昼飯に海鮮丼を食べようと店を検索。
チョイスした店で僕はサーモンとイクラの親子丼。kumi長は富山湾の白エビ丼。
エビ＆ブリのあら入り味噌汁が付き、どちらもゲキ美味で大満足なランチ♪

さて、紅葉の北アルプスは何処にしようかな？
今秋も皆で楽しい宴ができたらいいなぁ♪♪♪