2016/10/14

Classic Route / First half


201608 sat - 10 mon 新島々から徳本峠へ・入山日

石川旅館で迎えた夜半には土砂降りの雨。
睡眠を確保しようと思うのだが外の気配が気になり眠りは浅い。
屋根を叩く雨音。アスファルトを走る車が雨水を切り裂く音。不安は募る。

天気予報では快方に向かう予定なのだが・・・
午前5時の朝食時にはまだまだ本降り状態・・・
東京から来ていたトレランの男性は上高地からの入山に変更するという。

僕たちは雨が上がる事を祈って旅館手配の車に乗って登山口まで送ってもらう。
シトシトと、そぼ降る雨の中、傘をさしてゲートを越えて入山する朝。
憧れていたルートに期待と不安を抱いて歩き始めるクラシックルート。




常念山脈の南端に位置し江戸時代より島々から徳本峠を越え、
上高地へ抜ける道は木材の搬出や炭焼きなどの生活を支えるルートであった。
そんな歴史あるクラシックルートを歩いてみたかった。


登山口の駐車場を超えてゲートの近くまで送ってもらえた。
これは助かった。30分以上は楽ができた♫
午前6時過ぎに歩き始める。


入山する時点で傘をさすのもザックカバーを装着するのも久しぶりだ。
島々谷川沿いの林道をハイクップする。


あがりこサワラ。たしかに奇異な成長をした樹木だ。


ゲート手前から1時間ほどで二股に到着。
トイレも設置されているのでありがたい。


二股を過ぎれば右岸から左岸へ、左岸から右岸へと「行き橋」「戻り橋」と
島々谷川を渡る回数が増えてくる。


ウォルター・ウェストンや島々谷のガイド・嘉門次や芥川龍之介も歩いた古道。


古(いにしえ)の風情を味わうには、そぼ降る雨が似合う。


Singin' in the Rain ♫


雨は少しずつ小雨となり、空の明度も上がり始めた。


昭和21年から28年まで使用されていた炭焼き釜。


登山道はいたるところで滝となり行く手を阻む・・・


食えるのか?


食えないのか?

美味そうに見えるのだが・・・


瀬戸下橋、瀬戸上橋と島々谷南沢を幾度も渡る。


午前9時前には雨が上がった。
予報よりも急速に低気圧は東へ抜けてゆくのだろう。


空が明るくなればテンションも上がる♫
緩やかな上り基調の沢沿いの登山道は快適だ。


離れ岩。
島々から9.7km。岩魚留小屋まで1.8km。


雨で濡れた木道や橋はとても滑りやすい。
優しいルートも慎重に歩く。


この辺りの標高ではまだ紅葉には程遠い。
真夏の緑が色濃く残っている。



午前9時を回って陽が差してきた。
ムフッ♫ いい感じじゃないか(嬉々


黒部峡谷の下ノ廊下や大台ケ原の大杉谷ほどの高度感は微塵もないが
沢沿いのルートは清涼感があって素敵だ♫


ワサビ沢の橋を渡れば岩魚留小屋も近い。


そして、岩魚留橋の向こうに小屋を確認♫


入山してここまでの行動時間は4時間弱。
kumiちょもまだまだ元気だ♫


高村光太郎の嫁さんである長沼 智恵子も愛したと言われる小屋横の桂の木。
予備知識としてクラシックルートの歴史をインプットしていたので感慨も深い・・・


岩魚の遡上を留めるほどの高低差があるというが・・・

メイビー、上がるよ。岩魚は。ヤツらの遊泳力はハンパないから。


小屋の看板は岩魚留小屋ではなく岩魚止小屋。
標高1260mのシュールな風景。ビールは500円でジュースは250円也。


佇むコチビ・・・♫


佇む老犬・・・♫


沢沿いにポツンと置いていかれたように佇む岩魚止小屋。
営業していた時代を想像しながら縁側で想いを馳せる・・・


入山日の行動時間の半分は超えた。


中丿沢の橋は今年の5月に新しく設置されたようだ。


また出た! 食えるのか!? 食えないのか!?


これは、ロシアンキノコしたくなるようなビジュアルだよねー♫


丸太の橋も多く濡れていたらドボン!のリスクもあるので慎重に。


入山前から倒木により歩行困難箇所が多いとは聞いていたがホントに多かった。


古い倒木ではなく今年の台風で倒れた木がヤヴァイくらい多かった。


大きく迂回するか倒れた樹木を乗り越えて行くか・・・そこそこ疲れる・・・


緩やかなクラシックルートは時間をかけて標高を上げてゆく。


最後の水場「ちから水」で水を3リットルほど調達する。
これでデカザックは軽く20kgをオーバーしている(汗

ここからのラスト半時間ほどが徳本峠まで急登の九十九折りが続く・・・


ややハンガーノック気味のkumiちょはペースが上がらない・・・
後方にはデカザックを担いだテント泊らしき登山者が確認できる。
今のkumiちょペースでは峠までにオーバーテイクされるだろう。
テン場がどれほど混んでいるのか分からない。
少しでもフラットな場所に幕を設営したい。
良い条件の場所を確保するためにkumiちょを置いてラストスパートをかけた。


5分10分とガシガシ登れば振り返った九十九折の先にkumiちょの姿は見えなくなった。
約半時間、ニトロを噴射してトップギアに入れてフルスロットルでハイクアップした。
自身のイメージとしてはセナかプロストの疾走感なのだが実際は・・・
例えるなら古い壊れかけの扇風機のスイッチを微風から弱風に上げた感じだろうか(笑


13時ジャストに徳本峠に到着した。行動時間は約7時間。
歩行距離は車でゲート手前まで送ってもらったので約14km。
標高差は約1400m。


テントはフラットな場所を確保できたが風が強い!強い!
kumimちょが辿り着くまでは一人で設営したが、石を置いて先にペグダウンして・・・
久しぶりに幕営に苦労した(汗

だが設営した場所が通路の側だったことから、後でイヤな気分になる事件が起こった。


テント設営が終われば新しくなった小屋で遅いランチタイムだ。
もちろんプシュッ!の儀は必須だ♫
2010年にリニューアルオープンした小屋は清潔で快適だ。


熱い山菜蕎麦は美味かったな〜♫
強風に吹かれながらテント設営したので熱い蕎麦には癒される。

この頃、ロカちゃん&えっちゃんは徳沢園でカレーを食べていたのかな♫


手前の倒れそうな小屋が1923年開業の徳本峠小屋。
後方の建物が2010年に建築された小屋。
両方とも宿泊棟になっており30名が宿泊できる。要予約。


風裏のテン場は僕が到着時には満杯だった。


小屋から徒歩1分の見晴台に上がる。
目の前には穂高連峰が横たわる。
これだよ!これ!この風景を見たかったんだ。
この角度、この方向からの穂高は初めて見る。新鮮だ♫
kumiちょと二人、しばし佇む・・・


峠のテン場は可愛らしいサイズだ。
満杯にはまだ若干の余裕がある。
テント密度の半分はエスパースか?(笑
ちなみに右奥のエスパースが今宵の我が家♫
強風も収まり低気圧は東へ抜け切ったようだ。


ホリックブロスの、よーへーちゃんから着弾した素敵なボトルだ。
「酒」以外はNGな素敵なホリック専用ボトルだ(笑

ちなみに今回の中身はローラがCMをやっているジンビーム(バーボン)だ。
残念だがローラは付いてこなかった(笑


2本着弾したもう一本はBEERHORICだ♫
そのまんまじゃないか(笑
よーへーちゃん、ありがとう♫


下はkumiちょ専用の小さなワインパウチ。
J.P.CHENET社のパウチパックワイン。
2010年に発売されたフランスのJ.P.CHENET社の赤(カベルネ・シラー)だ。
容量は187mlとグラス2杯分。
飲兵衛ではない女性にはオススメ♫


昼寝の後に再び見晴台へ上がり穂高の稜線を堪能する。
ジャンダルム付近のロバの耳が目視できる。
3人組のオネーサン方がしきりに「ピョコ!ピョコ!見えるね〜」と連呼されていた(笑

それから再び、しばし佇む・・・山岳の風景に酔うというのもいいもんだ。


昼寝をしている間に狭いテン場はほぼ満杯状態になっていた。


ここで少し嫌な話を・・・
僕のテントは通路横に設営したのだが、歩く人に何度かガイラインを引っ掛けられた。
ガイラインを通路にはみ出すほど長くとっているいるわけではないのだが・・・
右側も左側もガイラインが緩み始めているようだ。
彼等はほぼ無言で立ち去ってゆくことにイライラし始める・・・

そして、また豪快にガイラインを引っ掛けられてペグが地面から抜ける音がした。
そして無言で立ち去ろうとする足音にキレた!久しぶりにキレた!
テン場中に響き渡る怒号で吠えた!テントから顔を出してその男性を睨みつけ吠えた!
品性の欠片も感じない罵詈雑言を関西弁で捲し立てた。
テン場中の視線が集中しているのが分かる。

イメージとしては、紳助とか、浜ちゃんとか、たかじんとか、亀父あたりが
フルボッコで罵倒している画を想像していただければ幸いです(笑
僕はスラング的な関西弁を使い、その男性にアゴで指示を出した。
ペグダウンさせガイラインを張らせて立ち去る許可を与えた。
狭い世界(テン場)だ。これで僕のテントに近づく人はいなくなった(汗

だから「関西人てイヤよね〜」って聞こえてきそうなテン場の空気であった(笑

過去の例からみてもここのテン場で吠える関西人は多いようだ(爆


さて、気を取り直してディナータイムだ♫


玉ねぎを刻み火にかける。
そこへ、ベーコンを投入して炒める。


テント内にいい香りが充満してきた(嬉々


そこへドイツ産のザワークラウトを投入して数種類のスパイスを混ぜれば完成♫


スモークされた極太のソーセージを半分に切りフライパンで焼く。
こちらはマスタードをつけていただきます。


フランスパンを添えてワンプレートディナーの完成。
このセットをメニメニおかわり♫


先にパンを切っておく(切り離さないレベルで)。
これは、よーへーちゃんに教わった裏技♫

よーへーちゃんはいつも気配りが素晴らしい!
なので逆に嫁探しのストライクゾーンが狭くなるのではと心配するのであった(笑


夕焼け、真っ赤に燃えることはなかったが小嵩沢山の向こうの空の茜色が美しい。
小屋泊まりの方もテント泊の方も素敵なアーベントロートを楽しむ時間。


古い方の小屋ではストーブが焚かれていた。
赤々と燃える炎がなんとも雰囲気があり、心も温まる神無月の徳本峠。


テントに戻り少しバーボンを楽しんだ後は夕食の終わった小屋の食堂へお邪魔する。
昨日、石川旅館で出会った東京からのタイゾーくんと、
見晴台で出会った東京からの3人組のオネーサン方と山より宴を楽しむ♫
小屋番さんにシャッターを押してもらった。
だが小屋のルールで8時半には消灯なのでドンチャンもお開きとなった(残念・・・


その後、テン場に戻ると辺りは静寂に包まれていた。
話し声が一切聞こえてこないマナーの良さ。
これでは僕もkumiちょと馬鹿話をするわけにもいかず・・・
一人でちびちびとジンビームを楽しんだ・・・
午後9時半頃にはシュラフに潜り込み睡魔と手をつないだ夜。

8 件のコメント:

  1. えれぇこった2号2016/10/15 9:33:00

    徳本峠良いわねぇ〜(#^.^#)
    なんか森の精が居るんじゃないかっとふと思ってしまう様な静かなルート!!
    私も大好きです。
    くみちゃん用のワイン良いですね(#^.^#)
    寝酒に良いかも!
    今回の宴のお料理もめっちゃ美味しそう!!
    今度一緒に行く時はご馳走してね^_−☆

    ガイドラインで吠えるかっちゃん、みんなの反応が目に浮かびます!!
    大阪弁で吠えると周りがドン引きするんですよね。

    私達がテント泊した時は、こんなにテント多くなかったし
    めっちゃうるさいおばさんが2人も居て、テント張ってからもうるさいわ
    夜中もうるさいわ、朝も早よからうるさいわでtotoちゃんが吠えたら
    逆ギレされたという、恐ろしいおばちゃんでしたわ!!

    また徳本峠行きたいなぁ〜

    返信削除
  2. )^o^(
    雨がほんの前半部分だけで良かったねぇ!
    このルートは積雪期に歩くと更に良いよぉ〜
    沢谷ルートで雪が付くと迷い易いけど、どこでも幕営出来るから良いしね(^_^;)
    テントのガイラインに足引っ掛けてさぁ、「すみません!」もなくそのまま行っていまうスカタン多い多い!
    テントの中に居てると何故だか凄い響くし大きな音が鳴るから昼寝なんかしてると目が覚めてしまったりするよね!
    エスパース比率が高いねぇ)^o^(
    続きまた覗きに来ますね!

    返信削除
  3. かっちゃん、こんちわ!

    依存性には堪らない免罪符的なボトルを見つけた時に真っ先に思い浮かんだのは貴方の顔でありまして、、、無言のままソッコーで2本づつ籠に入れたのでありまして、、、(爆笑)

    かっちゃんのその心配がその通りにならないように頑張りますっ!、、、何を頑張るのだ??(笑)

    返信削除
  4. kakaちゃん

    いやほんまに徳本峠は良かったわ〜
    ティンカーベルやゴブリンが出てきそうな雰囲気があるね♫
    混雑した北アルプスとは違う静かな北アルプスを楽しめたよ。
    J.P.CHENET社のパウチパックワインはコンパクトで良いよ。
    次回ジョインする時にはもちろんご馳走させていただきますよ♫

    本当はね、吠えたくないんだけどね・・・
    自分でも思うけど短気な大阪人はメンドイです(笑
    そういえば2年ほど前にtotoちゃんも吠えてたね〜(爆
    確かに、おっさんよりおばはんの方が怖いと思うわ〜(汗
    逆ギレは彼女たちの専売特許でしょ(笑

    僕たちがジジーババーになった頃に、まったり登ろうよ♫

    返信削除
  5. totoちゃん

    クラシックルートは岩稜帯が無いから積雪期でも楽しめそうやね!
    とにかく初めての徳本峠を快晴で過ごせたのは至福の時間やったわ♫
    テントのガイラインを足で引っ掛けるのは仕方が無いと思う。
    一言「すみません!」と言えば何も問題無いねん・・・
    スルーしよるからこちらもカチン!とくるんよね。
    確かにテント内にいるとガイラインを引っ掛けられる音は響くのよ!
    なぜだかホンマ、エスパースが多かったわ〜(笑

    返信削除
  6. よーへーちゃん

    お互い依存症の集いで顔を合わせないように自重しようね(笑
    でも免罪符的なボトルはホンマにオシャぴーやわ♫
    今後はヘビロテさせてもらうわな〜

    そうそう!その心配が確信的にならぬようにゆるくゆるく
    ストライクゾーンを広げてください(笑

    返信削除
  7. キャンキャン吠えたんやね(^o^)
    そやけど無言で立ち去るのはアカンよね。
    外からでも聞こえるんやから「すんまそーん」て一声あれば
    ええんちゃうの。
    まぁ、僕なら「お怪我無かったでしょうか?」って・・・そら、無いか?

    返信削除
  8. 好人ちゃん

    下品な関西の野良犬が吠えてましたわ(笑
    いやほんまに一言「ごめんね〜」でええのんよ!
    ペグ引抜いといて無言はありえへんわ〜・・・
    まあ、好人ちゃんなら「足腰立たんようにしたろかい!!」って・・・それ、有るな!

    返信削除