The Ninth Heaven / First half

20170503wed - 06sat　穂高の稜線に佇む連休・前編

4月は母が大動脈解離で緊急手術〜入院して、何もできずに過ぎ去っていった。
そして世間では大型連休のゴールデンウィークが始まろうとしていた。
馬車馬な我が家もせめて後半の連休くらいはどこかに入山しようと考えていた。

kumiちょにどこへ行きたいか聞いてみると「涸沢と穂高！」と即答であった。
僕は昔から何度も通った山域なので、自分勝手に全く予想外の返答に驚いた。
だが、しかし、よく考えればkumiちょを涸沢と穂高へ連れて行ったことがなかった事実！

ならば、そうしようじゃないか。久しぶりの涸沢と穂高をまったり楽しもう♫
涸沢ヒュッテも穂高岳山荘も小屋開けしたばかりだ。雪はまだまだたっぷりある。
低山は初夏の陽気だが、北アルプスはまだ存分に雪山を楽しめる季節だ♫

5月1日（月）2日（火）はkumiちょは仕事であった。
僕は母の見舞いと病院関係の書類と役所での介護保険関係の書類に忙殺された。
2日（火）の夜は入山の準備を済ませて、夫婦でクタクタになってバタンキューだった（笑

5月3日（水）の午前6時に自宅を出発し、車を北アルプス方面へ走らせた。
この日は移動だけでいいと考えたいたので、気は楽だった。
だが、予想通りに高速道路の渋滞は半端なかった。

名神高速道路から東海北陸自動車道にかけて延々と渋滞が続いた・・・
平湯温泉のアカンダナ駐車場に車を停めて、バスで上高地に到着したのが午後4時！！！
自宅から上高地まで10時間は間違いなく新記録だよ（笑

上高地で入山届を出してデカザックを担いでまったりと歩き出す。
時間は遅いが流石に小梨平キャンプ場はないだろう。
河童橋を横目に見ながら今宵の我が家を考える。

横尾までは時間的に面倒くさいので徳沢でテン泊することにしよう。
午後6時に徳沢園にチェックインする（もちろんテン泊）

かなり昔の話だが徳沢園には2度ほど泊まったことがる。
食事も風呂もベッドも心地よい素敵な宿だった。
確かそのうちの一度は、totoちゃんとMさんと泊まった記憶がある。

井上靖の山岳小説「氷壁」の文中の徳沢小屋は、ここ徳澤園ね♫
暖炉の横で昭和の山岳文化を存分に楽しめる部屋があるからお薦めです。

徳沢のテン場もそこそこの満員御礼状態♫
ここまで来ると小梨平のファミリーキャンパー的なバカデカいテントは無い。

今宵の我が家（エスパース・マキシムX 4〜5人用）をサクッと設営。
徳沢園で魅惑の麦酒を数本仕入れてプシュッと乾杯の儀を執り行う愉悦♫

時間的に暗くなる前に飯盒から始める。
始めチョロチョロ♫　中ぱっぱ〜♫　美味い飯が炊けたよ。

米が炊ければ次は肉でしょ！
美味い和牛をそこそこ歩荷したよ〜（初日だしね♫

四国の山仲間であるエリー＆エイモンに、もらった焼肉のタレで漬け込んだ肉！
お政治抜きにして、手作り辛口「大豊焼肉のたれ」絶品です♫

辺りが夕闇に包まれて暗くなれば、酒はビールからバーボンに変わる。
歩荷した数本のJIMBEAMに、おまけでローラが付いてこないは残念だよ（笑

歩荷した野菜も複数回、焼き焼きしながら初日のディナーを楽しむ♫

午後8時の徳沢キャンプ場。
この時間から少しづつテントの光が少なくなってゆくのであった。
馬鹿騒ぎパーティーもおらず、紳士淑女的なテン場の夜は静かに更けてゆくのであった。

翌朝、ここも当たり前のように午前3時を回れば早起き鶏が動き出す。
僕とkumiちょは明るくなるまでシュラフに包まる幸せを満喫♫

朝食は昨夜の飯盒の残りを利用して、鮭茶漬け的な雑炊を味わう（美味し！
熱い飯を食べると、身体がゆっくりと目覚める感覚が分かるのよね♫

今日はベースキャンプの涸沢までハイクアップするだけ。
ゆったりまったり準備してテント撤収して午前7時にスタートする。

この時期のお猿は食欲旺盛！　恋の季節でもあるしね♫

徳沢から小一時間で横尾に到着。

鯉のぼりは泳いでいないけど、
横尾大橋を渡れば俗世界から山岳世界へ入った感覚になる。

この橋を何度渡ったことだろうか・・・
お初のkumiちょはもう意気揚々と鼻息荒かったようで（笑

ここからは、ようやく雪上を歩ける至福のハイクアップが始まる♫
遥か遠くの穂高の稜線が神々しく目に映る。

屏風岩さん、こんにちわ♫
久しぶりに歩くルートは懐かしくもあり新鮮にも感じる。

横尾谷も本谷橋も雪の中。
横尾から標高差700mの涸沢までアップダウンが続く。

予想はしていたが前にも後ろにも延々と凄い数の入山者。
さすが北アの超メジャー山域だよ（笑

気温も上がって雪が腐り始めている。
踏み抜きもあるし、かなり歩き難い状態。

何度か現れる冬道のゲキ登りも、ゆったりまったりハイクアップを楽しむ♫
20kgオーバーのデカザックは容赦なく体力を奪ってゆくよ・・・
小屋泊まりの軽装ハイカー達が羨ましく見えるゲキ登り（笑

遠くから「ゴゴゴゴーー！！！」と爆音が聞こえてくる。
まるで滝のように途方もない雪の塊が連続で岩場から落ちてくる。
岩場でまともに食らったら即サヨナラだろうね・・・

モナカでもなく明らかに腐った雪はかなり歩き難い。
通常のCTと比べてもかなりタイムオーバーなペースになる。

まっ、それでも紺碧の下この風景の中をハイクアップできるのだ。
雪が腐ってようが人が多かろうが幸せ以外の何物でもないだろう♫

ザイテングラートや奥穂高の稜線が、かなり近づいてきた。
涸沢ヒュッテやテン場も目視できる。でも、ここからが以外と遠いのよ・・・
デカザック担いで腐った雪のゲキ登り・・・もう、必死のパッチですから（滝汗

13時、本日コンプリート！♫
メニメニレストしたとはいえ、徳沢から6時間もかかって、これも新記録だわ（笑

難民キャンプ場状態の涸沢BC（ベースキャンプ）。
ソッコーでフラットな適地を見つけて今宵のお宿を設営する。

それが済めば、死んでも絶対に外すことはできない乾杯の儀を粛々を執り行う（嬉々
だがランチに頼んだ涸沢ラーメン1,000円が最悪だった・・・
麺や具材は並だったが、味が薄すぎる！　それより何よりスープがゲキぬるい！！
疲れた身体の五臓六腑に染み渡る予定だったのだが・・・
卓袱台（テーブル）をひっくり返すのをモーレツに我慢した星一徹であった（笑

10年くらい前の夏だったかなぁ。
中房温泉から入山して燕岳〜喜作新道〜大天井岳〜西岳〜東鎌尾根〜槍ヶ岳〜南岳〜
長谷川ピーク〜北穂高岳〜奥穂高岳〜ザイテン〜涸沢〜上高地と単独で歩いた時があったんだ。
その時の涸沢ヒュッテで食べたラーメンは最高だった思い出があったんだよ・・・

10年ひと昔って云うけどさ・・・
過去の素敵な思い出と現在の気持ちををリンクさせたら、ろくなことが無いよ（笑

でも、いつだったか忘れたけどさぁ
タカちゃんやトモゾーと知り合って仲良くなったのも涸沢なんだよね♫
そうそう！そん時は確かbp-hiroと一緒に縦走してたんだよね♫

でね、まだ続きがあってね。
その数年後に東京のタカちゃんが涸沢で、山より宴の日本手拭いを被った名古屋の
daiちゃんを見かけて「かっちゃんの友達ですか？」って声をかけたんだよ（笑
僕のいないところで、山より宴つながりで面識のない者同士がリンクして行くんだ♫

二人から別々に話を聞いたのだけど、とても嬉しかった記憶が蘇ったよ（笑
Team 山より宴は永遠ですから！！（キッパリ！

実はね、この日も、このテン場にあの人たちが居てたのよ♫
この日にバッタリ！できていれば夜は皆でドンチャンできたのだが（笑

前穂北尾根に向かう5.6のコル方面の斜面はプチデブリ地獄（汗

夕方まで涸沢ヒュッテや涸沢小屋へ多くの入山者が登ってくる。

奥穂へ向かうザイテングラートと小豆沢の斜面。
見え難いと思うけど、急斜面でデブリの無いところは無いよね〜（汗

今宵の我が家は涸沢の一等地。山手の芦屋で言うたら六麓荘あたりやろね〜（笑

やはりシングルウォールのマキシムXは土よりも雪が似合うよね〜♫

涸沢ヒュッテのスタッフがマイクで県警のヘリがやってくると何度もインフォしている。
北尾根の5.6のコルでもヘリがホバリングしている。
この日は入山者も多く穂高連峰で事故が多発している。

バリエーションルートで滑落して死亡。雪崩に巻き込まれて死亡。
この日だけで二人の尊い命が奪われた。負傷した登山者はメニメニ。

涸沢に常駐している長野県の放送局のカメラマンも大忙し！
県警のヘリが、おろくや怪我人をピックアプして下界へ運んで行く。
午後の涸沢で僕の知る限りで3回も県警のヘリが飛んできた！

時間はたっぷりある。夕方に涸沢小屋まで散歩する。
ベランダでは涸沢ヒュッテ同様に多くの客が寛いでいる。

今日の山物語があちらこちらから聞こえてくる。
辛うじて雪崩から逃げた話や、雪崩に巻き込まれて打撲＆出血した話など・・・
下界では有り得ない雪山の武勇伝が渦巻いていた（笑

涸沢小屋から涸沢ヒュッテのテン場を見下ろす。ここは不思議な空間だと思う。
そんな感覚とは裏腹に・・・
流れてゆく雲の影が雪面に陰影を作り、柔らかな時間を演出してくれるんだ♫

穂高連峰にぐるっと囲まれた涸沢カール。
ノーマルルートからバリエーションまで数多ある北ア屈指のメジャーポイント。
人が多いのは好きじゃないけど、それだけ多くの人を惹きつける魅力も理解できる。

僕たちの目の前でも複数回のプチ雪崩を観察することができた。
あちこちで歓声が上がる！不謹慎だがショーを観ている気分になったよ（笑

後で聞いた話なのだが涸沢ヒュッテが小屋開けしても、
テン場の料金を取らない年があったんだ。
何故だか分かるかい？

その年はハンパなく雪が多くってね。雪崩もハンパなかったんだよ。
テン場まで雪崩れてくる可能性があったから、テン場料金を取らなかったんだってさ。
いわゆる責任回避ね。自己責任で、どうぞって姿勢だったみたいね。その年は・・・
保証や責任問題で裁判になった場合、料金発生の有無で判断も変わるよねぇ・・・

ムール貝をアテにして、乾杯の儀を粛々と執り行う至福の時間（嬉々
この時期に雪上でビールは最高なんだよね（笑

今宵のディナーはkumiちょ特製野菜ごろごろスープキーマカリーの完成♫
飯盒もバッチリ炊けて刺激的なカレー臭がたまりません♫

お味の方はもちろん自信を持って激ウマですからね♫
おかわりオッケーなボリュームも幸せなのですよ。

残念ながらアーベントロートで空が焼けることはなかった。
夕闇が涸沢を包み夜の帳が下りる頃、テン場にも明かりが灯る。
穂高の稜線にも小さな明かりが目視できる。北穂高小屋だろう。

この日の事故などを午後からFacebookでインフォしていたのだけど、
多くの友人から的確なアドバイスや、優しいご心配のコメントをいただきました。
ほんまに皆んな心より感謝です。

Tatsumasa Yamadaさん、Ryoma Ryogaさん、田村 勇介さん、菅田 泰江さん、Fumikazu Kanさん、伊藤 知広さん、清水 孝祥さん、川口 靖弘さん、榎本 聖司 さん、岡田 健司さん、池 ひろとさん、鈴木 康義さん、蓮尾 智之さん、Keiko Nakayamaさん、ほんまにほんまにありがとうございました♫

東に目を向ければ常念山脈が満天の星空の下に静かに横たわる。
明日も天候は安定してくれるのだろうか？
kumiちょの奥穂高岳サミットプッシュはどうなるのだろうか？

to be continued  ♫

私事なのだが4年前の夏に腎臓結石破砕手術を経験している。
そして今年、GWが終わった後に測ったかのように僕は倒れて緊急搬送された。
空前絶後の激痛が下腹部と背中を襲う。倒れた身体はくの字になり歯を食いしばる。
悶絶し気が遠くなりそうな感覚が続く。尋常ではない脂汗が流れる。

いわゆる、まあ、その、再発です。腎臓結石の・・・
再び手術なのだが、レーザー破砕手術で済むのか（一泊入院）？
それとも内視鏡手術になるのか（一週間入院）？
近々、報告できれば良いのだが・・・

to be continued  ♫