2012/10/28

Right or Wrong


20121020 sat - 21 sun 釈迦ヶ岳から北へ(下山日)

トラロープを100%信用してはいけない。その昔、山の先達に教わった教訓。
クライミング用の高価な素材を採用しているわけでもないポリエチレンのロープ。
だが全国の山域で設置されたトラロープは確認出来る。そして世話にもなっている事実。

山岳において岩稜帯や鎖場を通過する際の三点支持は基本中の基本。
トラロープは飽くまで補助であり強靭な鉄の鎖や梯子と同様に考えない事は当たり前。
だが初心者や中高年の登山者の中には両手でトラロープ鷲掴みな人も時折見かける。

ボランティアで登山道の整備に勤しむ恩義に値する個人や団体も少なくない。
もしトラロープが破断し滑落した時の責任の所存はどうなる? それはロープ設置者か?
では登山における自己責任とは? 賛否両論あることは周知の事実。 是か非か。




大峰山脈の東に位置する台高山脈。
大台ケ原あたりからモルゲンロートが始まる朝。
振り返れば七面山が紅く燃えている。


楊子の宿避難小屋は暖かく、気温も明け方でも9℃くらいまでしか下がらなかった。
朝飯は熱い麺類で腹ごしらえ。麺類の写真も撮ったのだが麺の上に乗せたミートボールが
どう見てもデカい鹿糞にしか見えないので自主規制(笑


十津川方面には雲海が横たわっている。
凪の海原の如く静かに緩やかにうねりを続ける。


今年のGWに小辺路を縦走したA.Oさん。夏には奥駈縦走もコンプリートしている。
いわゆる奥駈マスターだ。そして南奥駈道の行仙・持経・平治の避難小屋を建設し
管理している「新宮山彦ぐるーぷ」にも多いに触発されたと言う。


玉岡さんの理念にも感銘を受け自身でも登山道の補修をする楽しみを見つけた様子。
今回の入山も小さな案内板の設置やトラロープの補修がメイン。


「僕は北アルプスに興味は無いのです」
「大好きになった大峰に通い、より遭難や事故の少ない山域にしたいのです」
A.Oさんはきっぱりと言い切る


そしてこの日も自費で購入した新品のトラロープやミニ看板の設置に勤しむ。
もちろん賛否両論あるのは十分解っての行動。


「次回入山した時、自分が不安無く歩くためですよ」と笑顔で説明される。
そして誰かの安全な一歩のための礎になればと考えるのだろう。


後日、誰かが危険だと判断しA.Oさんが設置したトラロープを撤去するかもしれない。
僕はそんな話も補修作業中のA.Oさんにあえて問うてみた。


明朗な会話が印象的で、まだ50代前半のバリバリの営業職のA.Oさん。
理論武装して自身の行為の正当性を論ずるかと覚悟した。


優しい笑顔で一言「残念やけど仕方ないね」と・・・。
是も非も把握しての返答なのだろう。


僕にはまず出来ないし出来るとも思えない。
多分、己の貫く信念なのだろう。


ふっと、吉田智彦さん著の「信念・東浦奈良男」を思い出した。
障害は必ずあるさ。でも曲がったり迷ったりしちゃいけないんだよ。
出来れば真っ直ぐに上を向いて歩いて行ければと思った。


釈迦から孔雀、仏生へと続く稜線を振り返る。
素敵な大峰の紅葉を楽しめた単独入山♪


旭登山口からの入山者もそろそろ釈迦ヶ岳に登頂する頃。
山の中であろうと雑踏は嫌いだ。長居は無用。


昨日とは比べ物にならない程の紺碧が広がる釈迦ヶ岳の頂上。
雲一つない修験道をパノラマで見渡す至福の時間。


お釈迦様ありがとうございます。また来年ご尊顔に伺います。
ところで大正十三年の岡田  雅行さんの仕事は男前でしたか。


そんなこんなで、まだ昼には遠い午前中に釈迦ヶ岳を下山する。
何人も何十人もハイクアップしてくる日曜日。


びっくりするような人数の団体さんも少なくない。
多分、百回以上は「こんにちは〜!」って挨拶したかなぁ(笑


ハイエンドのフルサイズ機を担いで登るアマチュアカメラマンも多い。
光線の角度の低い早朝と夕刻はシャッターチャンスも多いものね♪


紅緋、赤丹、臙脂、茜色、蘇方、柑子。
右を向いても左を向いても日本の雅な伝統色が賑やかな森。


何度も何度も振り返り釈迦ヶ岳の頂に立つお釈迦様を確認する♪
そして山は燃える紅葉の時。うん、うん、いい日に来れた。


吉田ノ森で独りゆったりレスト。
何年前だったかなぁ・・・十数人のパーティーでランチしたのは♪


楽しかったなぁ〜♪ あの時のメンツも濃い〜タイプが多かったなぁ(笑
全員集合は不可能だろうがまた何人かが集まりジョインできれば素敵やろね♪


怒濤の団体さんパーティーとすれ違いながら下山していると前方から一組のカップル。
夫婦そろってモジャモジャヘアーの二人はもしやと眼力ロックオンする(笑


向こうも気付いたようで互いに指差して「あ〜〜〜!!」と叫んだ(笑
数年ぶりの再会はpandaman夫婦であった(嬉々


MYOGを含めても屈指のULハイカーなpandaman。
コアでマニアックなセレクトや思考はとってもオサレなハイカー♪
ブログは放置やけどね(笑


もちろん二人には強制的に「山より宴ステッカー」をプレゼント♪
少しずつ、少しずつ、山より宴真理教の信者は増えてゆくのであった。
ブッターン♪サラナーン♪ガッチャーミー♪


快晴の日曜日。旭登山口の駐車場は車で溢れていた。
運転手が待機中のマイクロバスも三台ほど・・・(笑


さて、少しずつ標高を下げてゆく艶やかな紅葉を求めて低山を歩くか。
それとも、初冠雪の情報もあちこちで聞かれ始めた高嶺を目指すか。
どちらも大好き♪ 楽しみ♪ 楽しみ♪

6 件のコメント:

  1. さっちゃん@よかいちお湯割り2012/10/28 20:49:00

    厳しい冬を迎える前の大峰の艶やかな紅葉を楽しませていただきました。
    カナダに帰ったヒロムも元気やって♪
    一緒に拾ったブナの実も甘かったねぇ。
    そんでそんでpandamanご夫妻!!
    お懐かしゅうございます(*^o^*)
    山はなんの迷いもないけれど山にはいろんな迷い人が集まる。
    そうながよねー。
    大きな山の懐で遊ばせてもらいながら
    いろんな学びをもらっているのかなぁ(忘れもするが)
    歩けるうちは歩いて生きたいな。

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  2. さっちゃん@よかいちdeご機嫌さん♪

    超イケメンのヒロムも元気なんや!
    また一緒にブナの実拾いやりたいねぇ♪
    そうそうpandamanご夫妻も元気そうやったよ。

    山では色んな事を学ばせてもらってるよね。
    毎回学ぶべきことがあと思う。
    たしかに下山したら忘れている事も多いが(笑
    歩いていこう! 僕も最後の最後まで歩いていきたと思うなぁ。

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  3.  懐かしい様な風景。
    紅葉も当たりやね!よかったね (^^)/

    >是か非か。
     是も非もあるのかなぁ~?
    山に入れば
    自然物でも人工物でも
    それを選ぶのは自己責任。
    他に責任がある様には思えませんが・・・(笑)

     まあ良いけどね d(^_^)

           彼一語我一語秋深みかも 高浜虚子

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  4. 河童ちゃん

    懐かしい風景でっしゃろ〜!
    今年は全国的に紅葉は当たり年やね♪

    ほんでから、イヤな話やけど全国的には是も非もあるんよ。
    責任転嫁する輩さんも増えてますからねぇ。

    たしかに! まあ良いけどね(笑

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  5. 紅葉がめちゃ綺麗!
    良い時期の入山でしたね(^。^)

    A.Oさんの行為は人としては素晴らしいと思いますよ!
    けど、書いてる通りでそれを良く思う人も悪く思う人も居ますよね(@_@;)
    でも、基本的には河童さんと同じく山という自然の中に一歩足を踏み入れた瞬間から全てが自己責任だと思います。
    最初は何も解らなくても仕方が無いと許される事もあるし、反面、知らないが為に残念ながら命を落としてしまう事もある。

    でも、僕が思うのは、こういった行為に対して『非』の人は山をある程度知ってるからこそ『非』という事が出来るんですよ。

    知ってるからこそ、こういった行為のおかげで助かる時と人も居る訳で・・・・・
    ならば、知ってる人は例えば初めてのトレイルでルートファインディングの練習をしてるのに標識があった事が嫌でも、見て見んふりすればいいだけで文句を言うのはお門違いのような気がします。

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  6. bp-やっちゃん

    流石! 伊達に長〜いこと山を歩いていませんね。
    河童ちゃんのコメントと同様に山岳における自己責任とは!
    を考えてほしい入山者が増えている事は否定できません。

    で、「非」を肯定するスキルのある山屋さんの件。
    おっしゃる通りでメジャールートの目印云々を責めるのであれば、
    バリエーション&アルパインで遊んでいただきたいと思いますね(笑

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